2010-01-01から1年間の記事一覧
1.WAR PAINT『The Fool』The Fool [輸入盤CD] (RTRADCD580)アーティスト: Warpaint,ウォーペイント出版社/メーカー: Rough Trade発売日: 2010/11/24メディア: CD購入: 5人 クリック: 52回この商品を含むブログ (16件) を見るExquisite Corpseアーティスト:…
映像表現の地平 (中央大学人文科学研究所研究叢書)作者: 中央大学人文科学研究所,中央大人文科学研究所=出版社/メーカー: 中央大学出版部発売日: 2010/12メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 60回この商品を含むブログ (6件) を見るちょっとばかり前のこと…
輸入DVDでクロード・シャブロル+イザベル・ユペール『ヴィオレット・ノジエール』。ブラック・ヴィオレット。本来なら小さく留まるはずだった女性の犯罪が、最終的に三面記事の格好の餌になろう外部に曝されることで、彼女の身体が、世界の「悪」とされ…
(前回のつづき) シネキャピタル以後について。映画とは宇宙のすべてのイメージを取り込むことができる容れ物である。すべてであるからには、これは民主主義である。しかし映画が民主主義であったとして(逆に民主主義であるからこそ)、ここには選別と排除…
(前回のつづき) ヒッチコック『鳥』について。シネキャピタル語録としては「万国の鳥たちよ、団結せよ。失うものは羽しかない」は「万国の労働者よ、団結せよ。失うものは鉄鎖しかない」の言葉の組み替えなわけだけど、これはヒッチコック×トリュフォーの対…
個人的に大注目していた「廣瀬純×菊地成孔」の公開対談に行ってきた。名著『シネキャピタル』の著者廣瀬純の名前はカイエ・ジャポン時代から知っているという熱心な映画好きでなくとも、菊地成孔に寄せた文章(ユリイカ「特集*菊地成孔」号)など、別方面か…
あの素晴らしい『TWO LOVERS』(ジェームズ・グレイ)を最後に俳優引退宣言、ラッパーに転身した天才俳優ホアキン・フェニックスを追ったドキュメンタリー。監督は友人の俳優ケイシー・アフレック。劇中に『TWO LOVERS』のプロモーション活動が含まれること…
東京国際映画祭で体験することが叶ったスコリモフスキ新作の余韻が未だ消えない。戦闘機(ヘリ)のプロペラが回る更に上空から撮られた空撮ショットと地上からの切返しで始まる冒頭から驚愕のラストまで、文字通り席から身を乗り出して体験してしまった。本…
東京国際映画祭ワールドシネマ部門にて。アメリカの片田舎を過酷に生きる少女の物語である本作は、舞台である雪のロケ地に比例するような人と人との間に生まれる冷たい視線の対立を執拗に繰り返すことの暴力連鎖だ。その絶対的に親密になることを禁じた距離…
東京国際映画祭にて瀬田なつき劇場用長編デビュー作。角川映画だろうがなんだろうが瀬田なつきの映画は確固として揺るがなかった。ここには『とどまるかなくなるか』、『むすめごころ』、『彼方からの手紙』、『あとのまつり』で私たちを夢中にさせてくれた…
東京国際映画祭で最初に出会った傑作について取り急ぎ紹介したい。当てにならない確信を持って言うならば、おそらく今回の東京国際映画祭で本作に勝る「発見」はないだろう。とはいえ「発見」という言葉を使うのは、既に20年近くのキャリアを持つロマン・…
オドロイタという表現はやめよう。留保付きの絶賛という人をスッキリさせない言い方を唾棄してしまおう。夜の街を走るバイクと無数のライトが映えるファーストショットから『エクスペンダブルズ』は明快かつ爽快なアクションを、かつて多くの人が夢中になっ…
日仏学院「カイエ・デュ・シネマ週間」にて待ちに待ったクレール・ドゥニの最新作。イザベル・ユペールの提案によって実現したこの初コラボは、処女作『ショコラ』以降再びアフリカ大陸で撮影されている。一国の内戦と其処に留まることを決断したヒロイン=…
『境界線』のジーン・セバーグに痺れたので、未見のセバーグ出演作を。これはジャック・ベッケルの息子ジャン・ベッケルが撮った、ジャン=ポール・ベルモンドとの再共演作。『勝手にしやがれ』の二人が!というだけで、どうしようもなくワクワクすると同時…
クロード・シャブロルとジーン・セバーグの組んだ『コリントへの道』(1967)の軽妙洒脱ぶりについては以前当ブログでも取り上げたが、これはその前年に制作された打って変わってレジスタンスを描いた重厚なシリアス路線の作品。1941年に時代設定さ…
クロード・シャブロルが「三回だけの我慢」として虎シリーズ2作と共に撮りあげた当時流行のスパイ映画。実はちょっと前に見た作品なのだけど、この映画については何か書いておきたかった。主演のマリー・ラフォレが若い頃のジェーン・バーキンとタメを張る…
大雨という最悪なコンディションはダンスをするのに何の関係もなかった。この日のステージに渦巻いた圧倒的なグルーヴに熱狂したすべてのクラウドが証人になるだろう。フロアは複雑なリズムを刻むダンスミュージックのケイオスで包まれ、やや後方の位置で跳…
写真家であり映画作家、というより現代アートの作家として知られるシャロン・ロックハートが撮った中編をいくつか。ジェイムズ・ベニングを別格として、アメリカの実験的・前衛的な映画作家として紹介されることの多いシャロン・ロックハートに個人的な興味…
『トラス・オス・モンテス』の満員御礼(!)でもってフィルムセンターでのポルトガル映画祭は無事終了。伝え聞くところによると『カニバイシュ』(オリヴェイラ)の上映で会場が笑いに包まれたんだとか。さて、楽しみにしていたわりに実のところ今回はあま…
父コッポラ待望の最新作『テトロ』の空恐ろしさは、ぐにゃりと歪んだ時計の如く超現実空間を旅していた『胡蝶の夢』の恐ろしさと似て非なるものだろう。南米ブエノスアイレスという超現実が日常空間のデフォルトとなっている舞台を選んだせいだろうか?『胡…
クロード・シャブロル特集。続いては前年の傑作『気のいい女たち』に続いてベルナデット・ラフォンと組んだ『ダンディ』。ゴダールが「(パリ)解放後のフランス映画ベスト6」にも選んでいる本作の奔放な活劇ぶりに心底痺れている。シャブロルがこんなにも…
60年代シャブロルを2本。こちらは女優ステファーヌ・オードランを主演に添えた連作の記念すべき第1作。どことなくアントニオーニを思わせるモダンな愛の不毛の風景が、シャブロルの天才的な”置いてきぼり”の演出によってガラリと空気を一変させてしまう…
仲間よ、その絆よ、永遠に!
いよいよ今月より始まる「ポルトガル映画祭2010」に向けて、ポルトガルの映画作家の作品をいろいろ見ていこう企画。と宣言すると早々に頓挫してしまいそうなのでやめておくけど、まぁ、この1ヶ月〜2ヶ月に渡って気儘に紛れ込ませていけたらなと思う。…
BLANK MUSEUM@原美術館にて実験映画作家であり奇書『ハリウッド・バビロン』の著者ケネス・アンガーのライフワーク『マジック・ランタン・サイクル』全作上映+2。全作上映ということで楽しみにしていたのだけど5つのブースに分かれて同じ時間…
輸入DVDでヴァレリア・ブルーニ・テデスキの長編処女作。ミア・ハンセン=ラブをはじめフランスの女優が撮る映画に注目している。ブノワ・ジャコーの少女映画でお馴染みのイジルド・ル・ベスコや、本作でもテデスキと共同脚本を担当しているノエミ・ルヴ…
「すべての言葉はさようなら」なんて言葉はあるけれど、もし「すべてのショットがさようなら」だとしたら?地元シネコン3D字幕最終日に駆け込んだ『トイ・ストーリー3』は脱獄映画やアトラクション映画として近年のハリウッド映画の最高峰に思えた。目前…
輸入DVDでアンドレ・デルヴォー『ブレーでのランデヴー』。アンナ・カリーナとビュル・オジエの共演というだけで興味深いこの作品(ベルギー盤DVD)は、いつもお世話になってるid:SomeCameRunningさんに貸していただいたもので、メイキングやアンナ・…
輸入DVDにて日本公開が待たれて久しいジェームズ・グレイ『TWO LOVERS』。ホアキン・フェニックス&グウィネス・パルトロウ&ヴァネッサ・ショウという豪華共演陣はむしろ08年の暮れに日本公開された傑作『アンダーカヴァー』より入りやすいと思ってい…
ちょっといろいろと考えるところがあって唐突ですがツイッターを退会しました。一応ツイッター上で挨拶はさせていただいたのですが、書き込みの10分後にはアカウントを削除してしまったので(笑)、読んだ方は少ないと思われます。なのでこの場を借りてご…