2008-01-01から1年間の記事一覧

『夕映え少女』(山田咲、瀬田なつき、吉田雄一郎、船曳真珠)

夕映え少女 デラックス版 [DVD]出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント発売日: 2008/09/26メディア: DVD購入: 1人 クリック: 45回この商品を含むブログ (12件) を見るDVDで。川端康成の短編小説を東京藝大院生が映画化にチャレンジした作品集。…

『私、君、彼、彼女』(シャンタル・アッケルマン/1975)

「増殖するカオスモス」大友良英×宇川直宏×菊地成孔 http://ex-po.net/ ポ祭。ライブも見たいけどこの3者のトークを聴きたい。nu3号の長大な対談(52p!)は読んでないけど(買わなきゃ)、宇川さんと菊地さんって似たものを感じる。ちょっと軽い躁状態とい…

『アンダーカヴァー』(ジェームズ・グレイ/2007)

2008年も終わろうとしている年の瀬、スゴイ映画を見てしまった。ジェームズ・グレイ7年振りの新作『We Own the Night』(敢えて原題で)、初日。アメリカ映画の伝統ともいえる父(ロバート・デュバル)と息子(ホアキン・フェニックス)による重厚な相…

『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』(ジョージ・A・ロメロ/2007)

渋谷にて。面白いッ。冒頭のニュース映像が伝える死人蘇りの現場。広角から急速にズームしたり引いたりする長めの1カットでの”主観ショット”からして素晴らしい出来映えじゃないですか(画像はその時の見事なハイキック)。ゾンビ騒動で一切のメディアが機…

『チェチェンへ アレクサンドラの旅』(アレクサンドル・ソクーロフ/2007)

ユーロスペースにて。アレクサンドラお婆さまが大地に足を降ろすセカンドショット(足のアップ)→砂塵が吹き荒れるサードショットで傑作の予感がする、と同時に、え!?ソクーロフがアメリカ映画ですか?と一瞬、驚く。最も興味深かったのは音響処理。序盤か…

早稲田文学2号

早稲田文学 2号作者: ミシェル・ビュトール,東浩紀,宇野常寛,川上未映子,円城塔,鹿島田真希,福嶋亮大,千野帽子,早稲田文学会,篠山紀信出版社/メーカー: 早稲田文学会発売日: 2008/12メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 40回この商品を含むブログ (2…

『エグザイル/絆』(ジョニー・トー/2006)

歌舞伎町にて実はジョニー・トー初体験。反復されるドアノックと車に乗った男たち(フィルムノワールっぽい)、キメキメの役者の配置の仕方とか、フムフム、これは様式だねぇ。と途中までは軽い気持ちで見ていたのですが、風になびくカーテン(幕?)のユラ…

『その女を殺せ』(リチャード・フライシャー/1952)

VHSでRKOクラシック。汽車内フィルムノワール。狭い列車内での殴り合いも素晴らしいけど、汽車と並走を続ける黒い車がいいですよね。真珠の首飾りがパラパラと床に落ちる冒頭から、車窓への映りこみを利用した銃撃、決着のつけ方まで仰天しっぱなし。…

ガンバ大阪 ― マンチェスター・ユナイテッド 3−5

面白かった!マンUは本気度がどうこう以前にまずコンディション面で疑問を感じますが(ベルバトフやパクが出ていないこともあるかもしれない&ロナウドは全体的にセーブ気味だ)良い時に見る恐るべきパススピードのサッカーではなかった。でもそれを差し引…

『ブロークン・イングリッシュ』(ゾエ・カサヴェテス/2007)

ゾエ・カサヴェテス初監督作品。ニューヨークでジーナ・ローランズ、パリでベルナデット・ラフォン(!)といった目配せ。正直アラサー世代女子に送る云々〜みたいな予告編はちょっと萎えてしまうのですが、、。しかししかしパーカー・ポージーとメルヴィル…

『キャット・ピープルの呪い』(ロバート・ワイズ、グンター・フォン・フリッチ/1944)

キャット・ピープルの呪い [DVD]出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー発売日: 2006/08/25メディア: DVD クリック: 4回この商品を含むブログ (16件) を見るジャック・ターナーによる傑作の続編。勿論ヴァル・リュートン制作。とても美しいブラックファンタジー…

『生まれながらの殺し屋』(ロバート・ワイズ/1947)

家でRKO時代のロバート・ワイズを2本。これ素晴らしいです。愛と憎が体の内側から引き裂かれもはや打算が立っているのかどうか本人すら判然としないかのような役者陣、特にクレア・トレヴァーを中心に女優陣の演技がとてつもなく狂おしい。出てくる人、…

Juliette Binoche retrospective

日仏では「エリック・ロメール、あるいはシナリオの問題」に続いて、「フランス映画祭2009」の一環として「ジュリエット・ビノシュ レトロスペクティブ」が開催されるらしい。生ビノシュに会いに行こう!(日仏に来るかは分かりませんが)できれば早めに…

『ジャン・ブリカールの道程』(ストローブ=ユイレ/2008)

これも凄かった。大変な美しさのモノクロ作品。とにかくルプシャンスキーによるカメラが素晴らしい。島の周りを物凄〜く長い時間をかけてボートがグルッと回る。いつ終わるのかな?と思ってると唐突な黒味と共にナレーションが。そしてまたボートでの移動が…

『アルテミスの膝』(ジャン=マリー・ストローブ/2007)

お次は新作。これはストローブ単独名義のクレジットに続いて黒味の中、マーラーの歌劇が延々と流れて、その間私たちは真っ暗な劇場でスクリーンの黒味を見続けるという、ここで泣けるかどうかで決まってくるような気がします。もちろん泣いた。ここで終わっ…

『ヨーロッパ2005年、10月27日』(ストローブ=ユイレ/2006)

ひと月前に注文しておいたジャック・ロジェのBOXがようやく発送されたとのメールがフランスより届く。とりあえずホッとする。さてさて今日はアテネフランセにてストローブ=ユイレの新作。横の壁まで立ち見が出るという大盛況ぶり。 『ヨーロッパ2005…

『ニコラ』(クロード・ミレール/1998)

ニコラ [DVD]出版社/メーカー: 日活発売日: 2000/10/27メディア: DVD クリック: 6回この商品を含むブログ (5件) を見る恥ずかしながら初見。素晴らしいですね。冒頭の高速道路を走る父・息子の乗った車と、その理由を明かすクロスカッティングが素晴らしい。…

『カメレオン』(阪本順治/2008)

カメレオン [DVD]出版社/メーカー: VAP,INC(VAP)(D)発売日: 2008/12/05メディア: DVD購入: 1人 クリック: 27回この商品を含むブログ (29件) を見る見逃していた『カメレオン』をDVDで。藤原竜也という役者さんの魅力がイマイチ分からないのですが、ここま…

オルレアンの少女/合唱

パンドラの匣 (新潮文庫)作者: 太宰治出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1973/11/01メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 43回この商品を含むブログ (121件) を見る監督 富永昌敬 主演 川上未映子 音楽 菊地成孔 原作 太宰治 http://movies.yahoo.co.jp/m2?ty=nd…

『魔女たちの部屋』(クロード・ミレール/2001)

東京藝術大学馬車道校舎にて。フランスでもDVD化されていないという本邦初公開の作品。ジョルジュ・フランジュ作品のミューズ、エディット・スコブも出演しています。大寺眞輔氏曰くミレールが肩の力を抜いてザックリと撮った直線的で「縦ノリの映画」。…

『アッシャー家の末裔』(ジャン・エプスタン/1928)

アッシャー家の末裔 (トールケース) [DVD]出版社/メーカー: アイ・ヴィー・シー発売日: 2003/06/20メディア: DVD購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見るサイレント、染色版。シネフィルイマジカ録画で。最近ポーを読み直しています。細部…

『ラストムービー』(デニス・ホッパー/1971)

カイエ週間もフィルメックスも都合がつかずほぼ全滅になってしまいましたが、ボチボチ映画も再開ということで、まずはとっておきに好きな映画から見る。久々の『ラストムービー』(!)を所蔵VHSで。 現在フランスでは大規模なデニス・ホッパーのレトロス…

今日の名言

「坊ちゃん黙りな。一番黒いのは吉幾三だ。憶えとけ。」(菊地成孔) 息抜きに吉幾三のマッシュアップをYoutubeで聴く。ケミカルブラザーズとかMCハマーとかとマリアージュがよろしいね。JBvs幾三はいかにもな組み合わせでJBの音楽自体が既に素晴らし…

『愛された人』(アルノー・デプレシャン/2007)

上映40分前に日仏に着いたら『クリスマス・ストーリー』は既に完売。平日だからってナメてました。てかデプレシャン、なんでこんな人気あるんだろ?会場には黒沢清さんもいらっしゃいました。てことで、デプレシャンのドキュメンタリー作品のみを。 冒頭、…

『PASSION』(濱口竜介/2008)

東京藝術大学大学院修了作品。上映前に黒沢清ー濱口竜介の対談を聴く(無料)。なんでも黒沢監督は『PASSION』に影響を受けて『トウキョウソナタ』の編集を変えたのだとか(しかし本当かどうかは不明)。この歳で映像か脚本、どちらかに偏らない、両方大事に…

『ウェルカム・トゥ・サンパウロ』(アモス・ギタイ、ツァイ・ミンリャン、ミカ・カウリスマキ、吉田喜重、レオン・カーコフ/2007)

カエターノ・ヴェローゾがナビするサンパウロをテーマにしたオムニバス作品。日系人女性と岡田茉莉子をシンプルに対面させた吉田喜重作品のみ心に残る。メランコリーにもサウダージにも南米文学的な迷宮にも寄り掛からない潔さ。あとの作家は正直眠い。我慢…

『可視から不可視へ』(マノエル・デ・オリヴェイラ/2008)

100歳を迎え益々若々しくなる作家オリヴェイラ。7分のビデオ作品。この肩の力が抜けた息抜きのような短編を必要以上に褒めるのも若干躊躇してしまいますが、しかしとても面白いのです。男二人が目の前にいるにも関わらず携帯で話し合っているという間抜…

『河の上の愛情』(ジャ・ジャンクー/2008)

東京フィルメックスにて。ジャ・ジャンクー最新短編。17分。ジャ・ジャンクーという人は本当に才能溢れる作家だな、大好きだなぁ、と改めて確認する。円卓を大人数で囲む祝賀の席、その開け放たれた扉の奥で、華やかな衣服に包まれた女性たちが舞いを始め…

シャルナス・バルタス

シャルナス・バルタスの『The Corridor』がDVD化された模様(オランダ盤)。 http://www.amazon.com/Corridor-Korridor-Koridorius-NON-USA-FORMAT/dp/B001ECG0DY/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=dvd&qid=1226929965&sr=1-2 シャルナス・バルタス、WHO?という…

Q-TIP『The Renaissance』

Renaissanceアーティスト: Q-Tip出版社/メーカー: Motown発売日: 2008/11/04メディア: CD購入: 4人 クリック: 131回この商品を含むブログ (34件) を見るここまでクオリティの高い作品を肩透かしとかフツウとか言って流しちゃうのはちょっと解せない。たしか…