2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『ロシュフォールの恋人たち』(ジャック・ドゥミ/1967)

世紀の3部作完結篇。『ローラ』と『シェルブールの雨傘』は、それぞれの行動が残酷な相関図を形作ってしまう擦れ違いの物語だったけど、前2作で擦れ違い、又、引裂かれることに耐え偲んできた恋人たちは『ロシュフォールの恋人たち』でついに幸福な出会い…

『シェルブールの雨傘』(ジャック・ドゥミ/1964)

シネセゾン渋谷にて大入りの初日。嬉しいッ!女子率高し。待ってました!!! この世紀の傑作についてはシネフィルサークルを超え90年代渋谷系のバイブルとなった山田宏一氏の『友よ映画よ、わがヌーヴェル・ヴァーグ誌』に、これ以上ない筆致で素描されて…

『ローラ』(ジャック・ドゥミ/1961)

シネセゾンにてジャック・ドゥミ・セレクション。ポスター付き前売り券もなんとか購入。嬉しい! 『ローラ』は物語の構造自体、既に泣けるというか。まず、ひとつの街を舞台にしていて、劇中同じ路地が何度も出てくる。「初恋の思い出がいつまでも消えない」…

『我が至上の愛 アストレとセラドン』(エリック・ロメール/2007)

ようやくロメールの新作を見る。これは本当に素晴らしいですね☆真面目に語ろうとするこちらを嘲笑うかのようなバカバカしさがラスト、こんなにも崇高な境地に至るなんて!左肩を猥らに晒しているニンフたちや、腿が露わになったアストレの寝姿、これなんか、…

『サンフランシスコ殺人事件』(ジョセフ・H・ルイス/1945)

VHSでジョセフ・H・ルイス。当時アメリカで人気だった(らしい)ファルコンシリーズの一作で主演は2代目(?)ファルコンことトム・コンウェイ。これ話の展開が異様に早いというか省略されてるというか繋がってないというかなので、ひょっとして短縮版…

『グレバン蝋美術館』(ジャック・ドゥミ/1958)

VHSで。ジャック・ドゥミ+ジャン・コクトー+ジャン=ルイ・バローによる20分の短編。「夜中に蝋人形館なんかに入っちゃいけないよ」という映画。案の定、蝋人形たちが生き生きと動き出すという恐怖の物語へ。しかしそこはドゥミ様らしくキッチュでキ…

大谷能生『散文世界の散漫な散策 二〇世紀の批評を読む』

(ブレインズ叢書2) 散文世界の散漫な散策 二〇世紀の批評を読む作者: 大谷能生出版社/メーカー: メディア総合研究所発売日: 2008/12/13メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 20回この商品を含むブログ (26件) を見る佐々木敦主催=塾長ブレ…

『ワンダーラスト』(マドンナ/2008)

マドンナ監督作品。一部で後期フェリーニを思わせるだとか、わりと評判もよいらしいデビュー作。ここには「マドンナ」の歴史を語るに欠かせない記号がたくさん散りばめられている。ストリップ、写真集『SEX』、ガーリーツアー、一番新しめのとこでいうと…

『マスク』(クロード・シャブロル/1987)

東京藝術大学馬車道校舎にて。横浜日仏シネクラブ5周年、英語字幕、上映後に青山真治氏のトーク付き。視聴者参加番組「全ての人たちに幸せを」(老いた男女が歌で競いあう)がピンクの安っぽいテレビモニターに映る。フィリップ・ノワレはこの番組の司会者…

『ローマで夜だった』(ロベルト・ロッセリーニ/1960)

VHSでロッセリーニ。古典という言葉が孕むノスタルジックな響きとは全く無縁な現代映画。刺激的!全てのシーンが瞳に焼きつく。VHSの画質で言うのもどうかと思いますが、冒頭、トラックの荷台に脱走兵たちを匿う(偽)修道女たちの衣装、暗闇に光る白…

メルドVSコルドリエ博士

http://www.jonathanrosenbaum.com/?p=14979 ジョナサン・ローゼンバウムが『メルド』(レオス・カラックス)について触れている。なんでも蓮實重彦氏の2008年ベスト10リストの中に『メルド』が入っている(Film Comment最新号。未読です)という導入…

『女は男のふるさとヨ』(森崎東/1971)

異形の傑作ということなら間違いなく『特出しヒモ天国』に軍配があがるのだけど、私はこちらの作品にひどく感銘を受けた。父と母の情事の声を2階で静かに聴き入る(娘たち)→寝ている彼女らをバタバタと踏みつけていく、という見事な空気の壊し方に感激する…

『特出しヒモ天国』(森崎東/1975)

本当は『アストレとセラドン』(ロメール)を見に行ったのだけど、早めに有楽町着いたのでフラフラと時間潰しに散歩してる内に、銀座で十何回目かの迷子になってしまい、気付いたら浅草の町を歩いていました。しかし迷子という状況はわりと好きです。マドン…

『3:10 TO YUMA』(ジェームズ・マンゴールド/2007)

3:10 to Yuma [DVD] [Import]出版社/メーカー: Lions Gate発売日: 2008/01/08メディア: DVDこの商品を含むブログ (1件) を見る輸入DVD。あの素晴らしい『17歳のカルテ』『ニューヨークの恋人』のジェームズ・マンゴールドによる西部劇。出来れば日本に…

『フェルディドゥルケ』(イエジー・スコリモフスキー/1992)

輸入DVDでスコリモフスキー92年の作品。東京国際映画祭での『アンナと過ごした4日間』ティーチインの際「前作は妥協の産物」と監督自身言っていた記憶があるのですが、そんな言葉は聴かなかったことにする。ナンセンス喜劇の傑作、そして厄介なほど奇…

『侵入者』(クレール・ドゥニ/2004)

輸入DVDでクレール・ドゥニ『侵入者』。「悪魔は――あなたの内側に隠れている――あなたの影に――あなたの心臓に」。暗闇に覆われた森、カテリーナ・ゴルベワがこちらに向けて不吉な予言を語りかける(オフの声)冒頭。この映画で描かれているのは心臓の交換…

『キッスをよろしく』(エマニュエル・ムレ/2007)

初エマニュエル・ムレ。日本語字幕付き。本国フランスでは「新世代のエリック・ロメール」だとか「ウディ・アレン・ミーツ・ロメール」だとか好評価の作家。正直あんまり期待してなかったのだけど、これがなかなか良かった。若干自虐気味の自作自演ぶりや美…

『パリのナジャ』(エリック・ロメール/1964)

この魅惑的なタイトルを持つ映画をずっと見たかった。「ナジャ」は「ナジャ」でもアンドレ・ブルトンのそれとは関係ないみたいですが、、。しかしこれは非常に瑞々しい珠玉の短編。空に向かって伸びをするセシルカットの異邦人ナジャ(ジーン・セバーグとい…

『シャルロットと彼女のステーキ』(エリック・ロメール/1960)

日仏学院にて特集「エリック・ロメール、あるいはシナリオの問題」初日。 まずはジャン=リュック・ゴダール、アンナ・カリーナ、ステファーヌ・オードランという超豪華面子が声の出演(吹き替え)という『シャルロットと彼女のステーキ』。この映画の「物語…

『Home Movie』(フレデリック・パルド/1968)

こちらはDVD特典に付いていた『処女の寝台』のメイキング及びタイトル通りの日記風作品。メイキングというより後に「ザンジバール」というシネマ制作コミュニティを結成する彼らの旅日記といった趣き。サイレント、カラー39分。随分発色がキレイだなと…

『処女の寝台』(フィリップ・ガレル/1969)

輸入DVDでフィリップ・ガレル『処女の寝台』。英語字幕付き。これは実験映画をメインに扱っているフランスre:voir社から出ているブツ。『現像液』(1968)もここから出てます。ブックレットにはフィリップ・アズーリによる20ページに及ぶ解説文が。…

『TROIS JOURS』(シャルナス・バルタス/1991)

こちらは長編。『ポーラX』のカテリーナ・ゴルベワ主演。少量ながら台詞あり。何処でもない街、何処でもない部屋(アパートの部屋が洞窟のよう!)を彷徨するカテリーナ・ゴルベワと青年2人。引き続き広場のロングショットが素晴らしい。この2作に共通し…

『Praejusios Dienos Atminimui』(シャルナス・バルタス/1990)

輸入DVDでリトアニアの映画作家シャルナス・バルタスによる中篇・長編を見る。こちらはモノクロ作品。英語字幕付き。台詞なしですが。この一本だけで、又は最初の数ショットを見るだけでバルタスの才能は疑いようもない。霧の中の寒々とした風景、教会に…

『ヌーベルヴァーグ』(ジャン=リュック・ゴダール/1990)

ヌーヴェルヴァーグ [DVD]出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2002/08/24メディア: DVD クリック: 21回この商品を含むブログ (19件) を見る年明け一本目に見る映画は何がよいだろか?けっこう重要であってまるで重要ではないよな、と例年ムダに迷うことし…

2008年ベストシネマ

新年明けましてオメデトウゴザイマス。さてさて、2008年度ベストシネマ。状況に対する批評のために敢えて、という選び方はせず、「これからもよろしくッ!」とこちらから挨拶したくなるような、つまり一生付き合っていきたいと思える作品を選んでみまし…