2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

サヨナラだけど最後じゃない(相対性理論)

ここ一週間、映画も見ずブログも更新せず、ひたすらPremiereをいじっくって、長期に渡り頓挫していた、というよりもポシャリかけていた、さらにいえば自分でも「あの映画って、ポシャッたのかなぁ?」とさえ思ってた作品を仕上げていました。この作品は4年…

『彼方からの手紙』(瀬田なつき/2008)

リュックサックひとつ 手紙とチョコレート片手にバスに乗る ウェルカム・トゥー・ハローハウス! ほぼ一年ぶりDVDで再見。ひたすら泣く。やはり何度見ても傑作であった。劇場で御覧になった方はご存知のように、この作品の音響設計は爆音仕様です。願わく…

『悲しみよこんにちは』(オットー・プレミンジャー/1957)

その女優が出ているというだけで痛みをともなう映画(と同時に見て見ぬフリが許されない映画)というのは確実にあって、ジーン・セバーグは間違いなくその筆頭にあるわけで、思い立ってイーストウッドやリー・マーヴィンと共演しているミュージカル西部劇(…

ペペ・トルメント・アスカラール

瀬田なつき監督『あとのまつり』の少女が街を走っては小踊りを繰り出す至福のシーンばかりを思い出しては、ふと涙ぐんでしまう一日でした。さて菊地成孔氏のペペ・トルメント・アスカラール@歌舞伎町クラブハイツの動画がアップされてて、これが激ヤバだっ…

『桃まつり presents kiss! 弐のkiss!』(2009)

ユーロスペースで開催中の『桃まつり presents kiss!』へ。実は「壱のkiss!」も初日に行ってきました。このまま全作品見る所存でございます。さて、本日は昨年東京藝術大学大学院映像研究科第二期生修了制作品『彼方からの手紙』が佐々木敦氏(「途方もない…

『カニバイシュ』(マノエル・デ・オリヴェイラ/1988)

ゴダールの新作『Socialisme』のスチールが以下のサイトに掲載されています。まだimdbにも載ってないし、ほとんど情報は出ていないようですが、地中海ロケであることと、2009年初頭に完成予定(てことはもう完成?)とのことです。今年のカンヌでお披露…

『汚れた血』(レオス・カラックス/1986)

ユーロスペースにて、ジュリエット・ビノシュのティーチイン付き。整理番号あんまり早いほうじゃなかったのだけど、最前列、それもビノシュに手が届きそうな素晴らしい席が運良く空いていたので即決で座る。ヤバイ、ドギマギする!先日の日仏学院では気さく…

『美しい人』(クリストフ・オノレ/2008)

フランス映画祭2009、六本木ヒルズにて。前作『Les Chansons D'Amour』(邦題『ラブソング』又は『愛のうた、パリ』)は、そのタイトルから想起させる”ヌーベルヴァーグ”を無邪気にトレースし直すことが許されないドン詰まり感が面白かったり退屈だった…

ホセ・ルイス・ゲリンの「短編」

輸入DVDでホセ・ルイス・ゲリン祭り最終日。最後に紹介するのはDVD−BOX付属の特典ディスク。特典映像だからといって舐めてかかったのが大間違い。これらの作品、imdbを見ても正式には「短編」扱いされてないようだけど光の乱反射に目が眩む傑作ぞろ…

『静かなる男』(ジョン・フォード/1952)

静かなる男 [DVD]出版社/メーカー: 東北新社発売日: 2000/04/28メディア: DVD購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (9件) を見るやっぱ2本立てで見なきゃと。スゴイ映画。ラストの決闘が行なわれる草原でジョン・ウェインがモーリン・オハラを引き…

『イニスフリー』(ホセ・ルイス・ゲリン/1990)

瀬田なつき監督『あとのまつり』のレビューが続々と出ていますね。ホセ・ルイス・ゲリン『シルビアのいる街で』と瀬田なつき『彼方からの手紙』をスクリーンで体験したことは私にとっても昨年の最重要トピックでした。新しい映画。新作、すごく楽しみにして…

『工事中』(ホセ・ルイス・ゲリン/2001)

輸入DVDでホセ・ルイス・ゲリン『工事中』。こちらはDVD−BOX未収録の作品。ペドロ・コスタ『ヴァンダの部屋』と同時期に撮られた破壊されつつある地域をドキュメント。「nobody」最新号によると『工事中』はスペインでのゲリン唯一のヒット作で、公…

『影の列車』(ホセ・ルイス・ゲリン/1997)

輸入DVDでホセ・ルイス・ゲリン『影の列車』。このような全く新しい才能の出現、そのキラメキを一人で見ることの寂しさというか、この作品を見てしまったことの熱狂を是非とも大勢で共にしたいのに!というどうしようもない気分にかられている。こんなこ…

『シルヴィアのいる街での写真』(ホセ・ルイス・ゲリン/2007)

佐々木敦氏責任編集の音楽誌「ヒアホン」創刊号は横浜の書店では手に入らないようで無念。楽しみなんです。早く読まねば。「nobody」最新号はスコリモフスキー表紙&インタビューだとか、廣瀬純氏の「ショット/切り返しショット、ゴダール/レヴィナス」だ…

恵比寿映像祭

これを書いてる時点で終了しているのですが、先日現代写真美術館で開催されている恵比寿映像祭に行ってきました。ウォーホールの『スクリーンテスト』と宇川直宏氏の展示に持っていかれました。スーザン・ソンタグ、ニキ・ド・サンファル(キレイ!)、デニ…

『チェンジリング』(クリント・イーストウッド/2008)

「地獄へ落ちてしまえ」 死刑の迫る児童猟奇殺人犯の胸座を掴んで凄まじい迫力でこう繰り返すアンジェリーナ・ジョリーは単なる凄味を超えて聖性を宿しているとさえいえる。革命が遂行される。しかし個人の問題はいつの間にか社会の問題にすり替えられる。ア…