2017-01-01から1年間の記事一覧

筒井武文『映像の発見=松本俊夫の時代』パンフレット

先週末よりイメージフォーラムで上映中の『松本俊夫 ロゴスとカオスのはざまで/映像の発見=松本俊夫の時代』のパンフレットに5作品の論考を寄稿させていただきました。素晴らしい作品はどの時代、どの年齢で見たって、その価値は普遍である。ということを…

『20センチュリー・ウーマン』(マイク・ミルズ/2016)

感傷的な気持ちに身を任せると 星の明かりが部屋に差し込んでくる あなたの愛に満ちたやさしさは まるで暗闇を照らす炎のよう 「In a Sentimental Mood」 スーパーマーケットの駐車場で燃え上がるフォード・ギャラクシー。少年ジェイミーが生まれたとき家ま…

『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』(パブロ・ラライン/2016)

『Jackie』 『ジャッキー』に寄せられた言葉で、ナタリー・ポートマンがインタビューで語った言葉に敵う批評はありえない。曰く、「聡明なジャクリーンは自分が記者に語る言葉がそのままアメリカの物語になることを知っていた」。そう、『ジャッキー』はジャ…

『ネオン・デーモン』(ニコラス・ウィンディング・レフン/2016)

『The Neon Demon』 『ネオン・デーモン』を撮るにあたって、カメラマンのナターシャ・ブライエ(あの美しいホセ・ルイス・ゲリン『シルビアのいる街で』を手がけた名カメラマンだ)はジェームズ・タレルの光を参考にしたという。『ネオン・デーモン』におけ…

『ノクターナル・アニマルズ』(トム・フォード/2016)

オールスターキャストによるトム・フォードの新作『ノクターナル・アニマルズ』は、恐怖を美の次元に引き上げた上で宙吊りにするノワール映画の傑作だ。『シングルマン』のコリン・ファースがトレードマークであるメガネをかけている間、どこかフェリーニ映…

2016年ベストシネマ

新年あけましておめでとうございます。さて、2016年ベスト。2016年は20本選ぶの楽勝だなと余裕こいていたら、むしろ削るのに苦労しました。ここ数年で一番映画を見れなかった一年でしたが、それでもとても充実したラインナップだったと思います。初めて正確…