2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」

岡崎京子に強い思い入れがあるすべての人と同じように私にとっても岡崎さんは「著作をすべて読んでます」では済まされない存在です。だから昨日の小沢健二のライブの報告に胸がいっぱいになって泣いたあげく言葉を失くしました。岡崎さんのある意味で止まっ…

『ローラーガールズ・ダイアリー』(ドリュー・バリモア/2009)

銀座シャンテ・シネにて楽しみにしていたドリュー・バリモア初監督作品。思わず立ち上がって「ロックンロール!」と叫びたくなるような、スクリーンの女優たちと手をつないで踊りだしたくなるような、痛快な作品だった。横一列に並んだ化粧台に向き合う白い…

『Film Socialisme』(ジャン=リュック・ゴダール/2010)

カンヌお披露目と同日にフランス「FilmoTV」有料限定配信で体験することができたゴダールの新作『Film Socialisme』について、ゴダールのボイコット事件を挿んだこの段階で何かを語るのに、やや複雑な思いはある。ここはゴダールに倣ってその沈黙の意志、闘…

『コロンブス 永遠の海』(マノエル・ド・オリヴェイラ/2007)

岩波ホールにて『ブロンド少女は過激に美しく(仮題)』(←スゴイ邦題!)の公開も楽しみなオリヴェイラの近作。齢101歳(撮影時は99歳?)のオリヴェイラはデジタル撮影を択んだわけだけど、冒頭から思いっきり「フィルムの画面」のような、いつもと変…

『勝利を』(マルコ・ベロッキオ/2009)

イタリア映画祭2010で体験することができたマルコ・ベロッキオの新作『勝利を』の全ての画面/音響が放つ、熱情というより激情の爆弾投下に、未だ言葉が出ない。これほど打ちのめされる映画体験をしてしまった後、一体どうやって映画と接していけばよい…

『母の微笑』(マルコ・ベロッキオ/2002)

イタリア映画祭2010にてマルコ・ベロッキオの旧作『母の微笑』。原題を「宗教の時間」。手前に座る主人公(画家)の奥さんを跨いで向こう側の窓枠内で子供(少年)が発狂したような叫びをあげる冒頭。「僕の頭から出て行け!」。母に抱きかかえられるこ…