2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『トウキョウソナタ』(黒沢清/2008)

『アカルイミライ』の浅野忠信=テロリストは勤め先の上司の家に招かれた食事会の帰り道、オダギリジョーに向かって不意に「そのうち嵐が来るぜ」と不吉な予言をする。08年『トウキョウソナタ』の冒頭で吹き荒れる「嵐以後」の世界(それは空爆後の焼け野…

『真珠の頚飾』(フランク・ボーゼージ/1936)

こちらはVHSで。制作はエルンスト・ルビッチ。これも素敵な逸品。ゴージャスな衣装を着た女泥棒ディートリッヒがオープンカーを乗り回す姿が超カッコよい。ディートリッヒが真珠の頚飾を盗むために仕組んだ宝石商と精神科医の契約/勘違いなやりとりがウケ…

『戦争よさらば』(フランク・ボーゼージ/1932)

武器よさらば [DVD]出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー発売日: 2003/05/25メディア: DVD クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る引き続き家でフランク・ボーゼージ特集。この作品やダグラス・サークの作品を見るとメロドラマの天才はアクションの天…

『映画論講義』(蓮實重彦)

映画論講義作者: 蓮實重彦出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2008/09/27メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 59回この商品を含むブログ (29件) を見る書店に寄ったらこんなブツが出ていた。早速購入。青山真治氏との対談(「批評が消えゆく世界の中で…

潮風が呼んでいるよ

『トウキョウソナタ』を初日(明日)に見れる人が羨ましいッ。そんなわけで今日は小泉今日子+小沢健二のCMで。これ音源化されてないけどとってもいい曲なんです。気づいたらたまに鼻歌で口ずさんでたり。ちなみにもう一人はスカパラのNARGOさん。

『ラジャ』(ジャック・ドワイヨン/2003)

そして今日はこれ。ゼロ年代ドワイヨンの空恐ろしさ炸裂な『ラジャ』。英語字幕で。これはホント見てよかった。互いに片言しか通じないフランス人男性とモッロコ人女性による、奇妙に捻じれ合いながらも何処までも平行線を辿ってしまう愛の交換(愛と金銭の…

『忘却に抗して』/『ピストルと少年』(ジャック・ドワイヨン/1991、1990)

日仏学院にてジャック・ドワイヨン特集最終日。『誰でもかまわない』でドワイヨン映画再登板のジェラルド・トマサン、その少年時代。ジェラルド・トマサンが刑事=リシャール・アンコニナに銃を向ける車中の単純なリバースショットの繰り返しが好きだ。車の…

『春の序曲』(フランク・ボーゼージ/1943)

こちらも無情なまでに擦れ違い続ける恋人たちの物語。歌手志望の田舎女子ディアナ・ダービン(『オーケストラの少女』)の純粋に響かせたい唄が、どこまでも擦れ違いと遅延を繰り返す。『歴史は夜作られる』のシェフもそうだけど脇役たち(執事たち)の所作…

『歴史は夜作られる』(フランク・ボーゼージ/1937)

VHSでフランク・ボーゼージを2本。エレガント!シャルル・ボワイエとジーン・アーサーを結びつけるキューピット=マジックで書かれた顔”ココ”(腹話術)は勇気がなくて言い出せないことも代弁してくれる心の親友ですね。素敵です。気づいたら二人朝まで…

Spangle call Lilli line

ISOLATIONアーティスト: Spangle call Lilli line出版社/メーカー: SPACE SHOWER MUSIC発売日: 2008/09/24メディア: CD購入: 1人 クリック: 23回この商品を含むブログ (36件) を見る久々の新作。11月にはこれと対になる作品が出る模様。待ってました。おか…

スコリモフスキー、ジャック・ロジェ

・『トウキョウソナタ』。ドビュッシーの「月の光」と入れ替わりで流れる音楽がカッコいいなと思ってたらハシモトカズマサでした。なるほど。『アカルイミライ』のパシフィック231並に素敵だ。いよいよ来週末から。その前に『アキレスと亀』(北野武)を…

セルティックvsオールボー 0−0

FKもCKもPKも放っておいたらなんでも「オレが、オレが」と蹴ってしまうロブソン。リーグ戦で中村俊輔の控えに回っている選手なのですが、この男のプレーが許し難いのは、俊輔にパスを一切出さないというところ(1本でもあったけ?という感じ)だけで…

『イカレた一夜』(ジャック・ドワイヨン/2001)

日仏学院にてゼロ年代ドワイヨンの超傑作。男+女の緊迫した恋愛劇”2”に、行きずりの女が加わりゲームが始まる”3”、そして思いがけない新参者(タフガイ)も加わり事態がより混迷してしまう”5”になったところで、またそれぞれに解体されていくという物語…

『最後の切り札』(ジャック・ベッケル/1942)

ジャック・ベッケルの長編デビュー作。フレーム外からの銃声で始まる作品。これメチャクチャ楽しいです。サイコー。捜査一課の集団(この並びがまた素晴らしい。『エドワールとキャロリーヌ』(1951)のピアノの周りに集まる紳士淑女の並びが素晴らしい…

『三重スパイ』(エリック・ロメール/2003)

「フランス映画の秘宝」にて。スゴイ。こういう深い驚きと深い溜息で満たされたいがために、いそいそと映画館に向かうのだよなぁ、というなんだか基本的なこと/ワクワク感を思い出し、心の中でスタンディングオーベイション。多幸感に襲われ、結果、打ちひし…

Nobody issue.28

黒沢清『トウキョウソナタ』が表紙。アメリカ映画が盛り沢山。松井宏さんのスタローンに関する論考が楽しかったです。しかし『ミスト』も『ハプニング』も見逃してしまっている、、。『PASSION』(濱口竜介)も是非見たいです。

『若きウェルテル』(ジャック・ドワイヨン/1992)

『誰でもかまわない』と『若きウェルテル』の間には緩やかな地続きの繋がりがあるように思える。ひょっとするとガス・ヴァン・サントの作品(特に少年もの)が大好きという映画ファン層(いや、好きなんですけど)にもアッピールし得る現代的な趣き。カメラ…

『誰でもかまわない』(ジャック・ドワイヨン/2007)

ドワイヨン最新作!これももう一度見たい。まるで少年のような美しさを湛えた女性が抜群によい。この美しい女性はまるで”誰でもかまわない”とばかりにダメ男に無償の愛を与える汚れた聖母のような存在/しかしとても理知的で、彼女がダメ男を包み込むように抱…

『罪の天使たち』(ロベール・ブレッソン/1943)

「フランス映画の秘宝」にて。ブレッソンの処女作という、なんだか信じられない作品の上映。多くの方が指摘されているように、このラストカットが準備するものを考えると、とても感動的。修道女たちが儀礼的に体を平伏させる行動があって、これって現実にあ…

Q-Tip『ABSTRACT INNOVATIONS』

Abstract Innovationsアーティスト: Q-Tip出版社/メーカー: Nocturne発売日: 2008/08/04メディア: CD クリック: 13回この商品を含むブログ (6件) を見る やっと聴いた。すごい傑作じゃないですか。来月に超待望の新譜も出るのだけど(ウソじゃないだろか?)…

『ふたりだけの舞台』(ジャック・ドワイヨン/1987)

先日のトークでドワイヨンは「自分は役者万歳なんだ」でも当然ながら「こちら側(撮影側)も怠惰でいてはならない」ということをしきりに言っていた。この『ふたりだけの舞台』という作品はタイトル通り「ふたりだけの映画」で、自虐的な痴話喧嘩/遊戯を永延…

『ラ・ピラート』(ジャック・ドワイヨン/1985)

日仏にて再見。この映画は見れば見た数だけ、その凄さが身に染みるのだと痛感。永遠に最新型の映画なんじゃないだろか?と思ってしまうくらい。この終わりの予測できない5人の物語に決着を付けるのは、地上に舞い降りた黒服の少女なのだ、ということを感慨…

『ピューリタンの女』(ジャック・ドワイヨン/1986)

『泣きしずむ女』と『あばずれ女』が小規模で非常にパーソナルな作品という印象を受けるのに対して、一転してサンドリーヌ・ボネール、ミシェル・ピコリという大物俳優によるややお金のかかった中規模な作品。でもこれが抜群によいんだ。劇場とその舞台裏で…

『あばずれ女』(ジャック・ドワイヨン/1978)

そして『あばずれ女』。ニコラ・フィリベールの『かつて、ノルマンディーで』に引用されてるのを見たときから、見たいッ!と強く思っていた。待望の出会い。今回の特集で一番楽しみにしてた作品です。少女映画の傑作。素晴らしいです。DVDで手元に置いて…

『泣きしずむ女』(ジャック・ドワイヨン/1978)

『小さな赤いビー玉』(1975)での大掛かりな撮影に疲れたドワイヨンが再び小規模の映画に向かった仕切り直しの作品。ドワイヨン自身が夫役を演じていることも含めて、とてもパーソナルな雰囲気を感じます。『放蕩娘』のジェーン・バーキンもそうなのだ…

『恋する女』(ジャック・ドワイヨン/1987)

昨夜未明に行なわれた代表の試合は中村俊輔が立ち上がれなかったとき本気で焦ったのだけど(CLが控えてるのだ!)しっかりFKも決めて悪くなかったんじゃないでしょうか。俊輔流のやり方で代表を引っぱてるね。田中達也と長谷部誠がいい動きだった。 とい…

『ラ・ピラート』(ジャック・ドワイヨン/1984)

上映前セルジュ・トゥビアナ氏の紹介によりドワイヨン監督の舞台挨拶。この作品がカンヌで貶されたことを今では誇りに思うのだとか。何故ならユスターシュもブレッソンもアントニオーニもカンヌでボロクソに言われたけど素晴らしい作品だったじゃないか、、…

『放蕩娘』(ジャック・ドワイヨン/1981)

連日の日仏学院にて。やや遅刻して入場。劇場に入るとガランとした木造の部屋の中、一眼レフを前にジェーン・バーキンの凄まじいアップがスクリーンに映し出されている。このあと続く『ラ・ピラート』もそうなのだけど今日はジェーン・バーキンに完全ノック…

『家族生活』(ジャック・ドワイヨン/1985)

フィルムで再見。こちらは日本語字幕付きで。冒頭のサミー・フレイのフォークの飛ばし方とか、ジュリエット・ビノシュの唐突な裸とか、何故か一本道のローラースケートとか、膝に子供乗っけて車の運転するだとか、気が付いたらサミー・フレイが「書き取り」…

『頭の中の指』(ジャック・ドワイヨン/1974)

トリュフォーに絶賛されたドワイヨンの出世作なのだけど、ここにきて睡眠時間2時間で無理したのが祟ってしまい、作品の半分以降まるで記憶がないです。。。少年少女たちのモラトリアムとその闘争のお話で、やや露出過多なモノクロ映像の中、狭い部屋の壁に…