『放蕩娘』(ジャック・ドワイヨン/1981)


連日の日仏学院にて。やや遅刻して入場。劇場に入るとガランとした木造の部屋の中、一眼レフを前にジェーン・バーキンの凄まじいアップがスクリーンに映し出されている。このあと続く『ラ・ピラート』もそうなのだけど今日はジェーン・バーキンに完全ノックアウトされた一日だった。父親(ミシェル・ピコリがまた味があってよい演技なのさ)のことが好きで好きで仕方ない、「少女」/とても危い「少女」のまま大人になってしまったバーキンの演技が壮絶、なのですが彼女の放つ台詞もまた強烈。


「女の子は12歳になると体が成長をはじめる。父親をはねつけるためによ。でも私の胸はふくらまなかった」


「(親から子が生まれるという)連続する流れを絶ちたかった」


もう一度上映があるので、ネタバレを恐れて書かないけど、特に後者の言葉が含むニュアンスはこの映画の着地点(ふたつのことが同時に対置、不気味な詩的さで放たれる)を考えたとき、非常に興味深いものがあります。