2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『鹿の好きだった少年』(バーバラ・ローデン/1975)

原題は『The Boy Who Liked Deer』。id:SomeCameRunningさんが記事に貼られていたYoutube動画で全編を通して見る。『ワンダ』と違って終始隅々まで演出が行き届いている対称的な作品。冒頭のアクションも上手いし、教室でのノートの投げ合いや鹿の扱いもよい…

『ワンダ』(バーバラ・ローデン/1971)

日仏学院にてエリア・カザンの妻、女優バーバラ・ローデンの『ワンダ』。マルグリット・デュラスやジャック・ドワイヨン(生涯の一本)が絶賛し、イザベル・ユペールが版権を買い取ったという固有名詞の羅列からも明らかなように神話化されている作品。丘の…

『ダミー』(キラ・ムラートワ/2007)

こちらは短編。なるほど『調律師』と併映も納得の金銭の価値/選択に纏わるショートショートといった趣き。幼馴染だけど二人で肖像画にされたことはないと言う、2人のよく似た老人を描く画家の女性が美しい。ニセの大金を手に入れた彼女は大声で泣きながら…

『調律師』(キラ・ムラートワ/2004)

「ウクライナ映画祭2009」@アップリンクにてキラ・ムラートワを2本。DVD上映、日本語字幕付き。キラ・ムラートワといえば蓮實重彦氏による『長い見送り』評や、赤坂大輔氏の文章で触れたぐらいで、ほとんど何も知らないに等しい女性作家。やっと出…

『グラン・トリノ』(クリント・イーストウッド/2008)

地元シネコンレイトにて『グラン・トリノ』初日。予告編以外何の情報も入れずいたのだけど、まさかのまさか、こんなにチャーミングな映画だとは思ってもみなかった。イーストウッドが隣人モン族の家に訪問する完全アウェイ(合衆国国旗がなびかない世界)な…

『四川のうた』(ジャ・ジャンクー/2008)

ユーロスペースにてジャ・ジャンクー最新作。『工場の出口』(リュミエール)を意識した美しいショットから始まるこの作品(2000年におけるジャンクーの準備稿には『工場の大門』と名付けられている)は、「歴史」が語り手によって再編されていく、その…

『パリの中で』(クリストフ・オノレ/2006)

フランス映画祭2009で上映された『美しい人』が傑作であったクリストフ・オノレの前々作。字幕なしで。同じくルイ・ガレル主演。引き篭りの兄(ロマン・デュリス)のために弟(ルイ・ガレル)が街に出て報告するという話。グランジなロックにノって裸の…

『囚われの女』(シャンタル・アッケルマン/2000)

「季刊 真夜中 No.5」での蓮實・黒沢・青山の3氏鼎談では『チェンジリング』における公聴会と裁判所の「シーンバックではなくカットバック」(青山監督)が面白かったです。たしかにあの強引な繋ぎを成立させてしまうイーストウッドは狂人だ。又、『アスト…

リバプール―アーセナル 4―4

アルシャヴィン4得点!勝たせてあげたかった!けど朝まで起きててよかった。こんな試合があるからサッカーは面白いのだ。90分間決して大味になることのなし、ヒリヒリと、しかしどこまでも繊細に人とボールが動き続けるゲーム。美しいフットボールでした…

『ミルク』(ガス・ヴァン・サント/2008)

地元シネコンにてガス・ヴァン・サントの新作。泣けた。この作品を必要以上に傑作と持ち上げるには『ジェリー』『エレファント』『ラストデイズ』への個人的な評価が高すぎるが故に難しい。しかしここには世紀の現代映画3部作(『パラノイドパーク』は敢え…

『聖女ジャンヌ・ダルク』(オットー・プレミンジャー/1957)

アテネフランセにてクリス・フジワラ氏による映画表現論「ジーン・セバーグ」編。ロマン・ギャリの作品でも全然オッケーだよ(未見だし)と、毎回行ってみなきゃ分からないドキドキの参考上映はオットー・プレミンジャーのクレジット見た瞬間に狂喜、そう、…

相対性理論@池袋innロサ

『シャーリーの好色人生/転落人生』(佐藤央/富永昌敬)公開記念ということで相対性理論のライブに行ってきました。ご存知のようにメディアからの取材/露出の一切を断っている(佐々木敦氏からの取材オファーは最後まで迷ったらしいのだけど←HEADZと…

ペペ・トルメント・アスカラール@恵比寿リキッドルーム

相対性理論のライブが待ち遠しいこの一週間ですが(チケットありがとう!)本日はペペ@恵比寿リキッドのライブに行ってまいりました。そもそもクラバーは前売り券を買わないものなのだ!?と思っていたのは的中。当日になれば会場は超大入り熱気ムンムン、…