2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『野獣たちのバラード』(ミハイル・ロンム/1965)

アテネフランセ「ロシア・ソビエト映画史縦断 1943-1995」にてミハイル・ロンムの作品。この作品の肝となるのは、記録映像のニューヨーク編、キャブ・キャロウェイのジャイヴのショウで奔放なリンディホッピングを踊る”大衆”の無垢なる幸福なイメージが、ナ…

『出発』(イエジー・スコリモフスキー/1967)

出発 [DVD]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2000/06/21メディア: DVD クリック: 12回この商品を含むブログ (11件) を見るこの日の映画8本リレー、締めを飾るのはスコリモで。何度も見ているけどスクリーンで見るのはやはり格別でした。「答えはひ…

『麻薬3号』(古川卓巳/1958)

この作品ヤバイです。まさかこんなに素晴らしいとは。神戸ロケの素晴らしい撮影と人物が斜めに移動するカットインとでもいうべき編集がキレてる。薬を打って即正気のまま走り出すなんて筋が合わない、なんてことは問わない(集団で薬を打つ闇のアジトが危険…

『軒下のならず者みたいに』(青山真治/2003)

1本目スニークプレビューはネットで明かしちゃダメとのことなので詳細は書きませんが「某日本人監督が昨年フランスで撮った中篇」という公式情報でもお分かりの通りというかこれ目当てで来た方が大半だと思うのだけどアレです。「いかれたピエロの映画さ」…

映画美学校セレクション2009

続いてユーロスペースにて映画美学校セレクションで3本。 ・『綱渡り』(小出豊/2000) 白線の上を歩きたがる無口な少年(主人公)とガキ大将みたいな心優しき少年がナゾナゾをするバス移動のシーンが出色。賭けで取り上げた糸電話を返しにいくシーン、…

『SOLARIS』(濱口竜介/2007)

東京藝大馬車道校舎にて『PASSION』濱口監督の前作。現在馬車道校舎では研究発表の一環として<OPEN THEATER>部門で3期生の全作品とか卒業生が撮った新作などが無料開放されています。 http://www.fnm.geidai.ac.jp/download/opentheater2009.pdf(…

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT

初めてライブを見てからその凄まじいカッティングにいつだってノックアウトだった。「代々木ライオット!」、キューちゃんの深化を遂げたドラムソロのオープニング、あのときの晴れやかでアッパレなミッシェルを私はずっと忘れないと思う。アベに追悼なんて…

『十日間の不思議』(クロード・シャブロル/1972)

輸入DVDでクロード・シャブロル『十日間の不思議』。これはほどよい具合に力の抜けた優雅なシャブロル、ではなく、恐らく原作(エラリー・クイーン)に対するシャブロルの憑きモノのような執念がビザールな形として表出してしまった怪作。素晴らしいと思…

『パリはわれらのもの』(ジャック・リヴェット/1960)

輸入DVDでジャック・リヴェット『パリはわれらのもの』(フランス盤・無字幕)。昨年の大規模なレトロスペクティブは、やっぱ大事件だったのだなーと、最近になって懐かむことが多いのです。『アウトワン』、『狂気の愛』、『デュエル』、『ノロワ』、と…

NEUTRAL NATION '09

幕間のBGM、イエス、「WORLD'S END SUPERNOVA」(くるり)はこの世代の特別なアンセムさ。「Billie Jean」で幕(ライブ会場に幕があるってよいものですね)が開けてクラムボンの登場、原田郁子さんがマイコーの真似して「フォー!」って叫んでる。「好きなと…

土岐麻子

こう訃報の狙い撃ちのような状況が続き精神力がまま落ちているのですが、スカパーで土岐麻子さんの七夕ライブ(2時間半。ノーカット?)を見て少し救われたような気持ちになりました。音楽って素晴らしい。アース・ウィンドウ&ファイアー「September」の白…

黒い神/ジャズ宣言

訃報が続きます。平岡正明さんが御逝去されました。心よりご冥福をお祈りします。黒い神作者: 平岡正明出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 1999/06メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (7件) を見るチャーリー・パーカーの芸術作…

『嘆きの皇太后』(ピナ・バウシュ/1989)

秘蔵VHSで(稀少ではないです。シャンタル・アッケルマンの撮った『ある日ピナが訊いた』は稀少なのかな?)。ピナ・バウシュの仕事を体系的に知ってるわけではない私に彼女を追悼する権利はないのですが、美しいイメージの結晶、未来へのインスピレーシ…

『それでも恋するバルセロナ』(ウディ・アレン/2008)

スタジオボイスが休刊というニュースにはびっくりした。ちょうど古屋兎丸さんの『プラスチック・ガール』が連載されていた頃がこの雑誌を一番読んでいた時期でしょうか。いやね、以前はけっこうなボイスっ子でした。カタログ文化全盛時の頃のことは世代的に…

『よるのくちぶえ』(遠山智子/2009)

ユーロスペースにて東京藝術大学大学院映像研究科3期生の作品。これはハードコアな作品。冒頭の雨のバス車内→明滅する歩行→雨宿り→赤ん坊の素晴らしい数ショットを見れば一目瞭然のように映画純度が非常に高い。校舎の屋上で抱き合う少年少女、俯瞰で捉える…