微笑むブーデ夫人/Le Souriante Madame Beudet

ジェルメーヌ・デュラック『微笑むブーデ夫人』。サイレント期のフェミニズム映画。最近のセリーヌ・シアマは、アリス・ギイやデュラックから多くを学んでいるらしい。『秘密の森の、その向こう』にも確かにそのイメージが引用みたいな分かりやすい形ではな…

『ロザリンとライオン』

ジャン=ジャック・ベネックス『ロザリンとライオン』のディレクターズ・カット。初見なのだけど、こちらしか手に入らず。素晴らしい。傑作だと思います。 ベネックスの作品を再見も含め全部見ました(いくつかのドキュメンタリー除く)。『ディーバ』の前に…

『コンクリート作戦』『コケティッシュな女』

ゴダールの初期短編を年代順に二本。このままゴダール全作いきましょうか。『コンクリート作戦』は、ゴダールがフィクション作品ではなく、人物を撮るわけでもなく、ここから始まったということが最も重要なことだと思う。映画のスペクタクルに溢れている。…

『ケイコ 目を澄ませて』

三宅唱監督『ケイコ 目を澄ませて』試写。素晴らしかった!試写室出て、三宅監督におめでとうございます!って言いたかったです(探したけど既に不在でした。残念!)。ステップ、そしてさらに美しいステップへ。前からですが、三宅監督はリズム感が抜群です…

R.I.P.ゴダール

ゴダールが亡くなったとき、映画は終わると本気で信じていた時期がありました。映画はゴダールよりも大きい?たぶん、そう。でも、そこまで思わせてくれる人が二度と現れないことも知っている。それでも映画は続くなんて、そんな強い言葉をいまは言えません。…

『溝の中の月』

ジャン=ジャック・ベネックス『溝の中の月』。『ディーバ』が低予算で撮られたとか驚きでしかないけど、こちらは『ディーバ』の成功を受けてチネチッタで撮影されたという二作目。批評的にも興行的にも惨敗だったそうですが、この作品のことは好きです。ス…

R.I.P.アラン・タネール

Jonas qui aura 25 ans en l'an 2000 R.I.P.アラン・タネール...。

パゾリーニ映画祭へのコメント

本日から開催「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」にコメントを寄稿させていただきました!推薦作品は『大きな鳥と小さな鳥』を選びました。『ソドムの市』と迷いましたけどね。でも、みんな『ソドムの市』だったらどうしよー?と思い、パゾリーニの宣…

『ブルーバレンタイン』

Blue Valentine ミシェル・ウィリアムズのお誕生日!現代で一番好きな俳優の一人です。一番凄いと思ってるかも。というわけで以前CINEMOREさんに寄稿した『ブルーバレンタイン』評「恋人たちの刻印」。 cinemore.jp ライアン・ゴズリングの言葉を以下に抜粋…

ギヨーム・ブラックへの白紙委任状

Coupe à dix francs CINEMOREさんへの『みんなのヴァカンス』評を書く際、これまでにギヨーム・ブラックへの白紙委任状で上映された作品群も併せて見ました。あらためてホン・サンスはいろんな映画作家に霊感を与えているなと思う。エリック・ロメールの『友…

『悪魔の恋人』

Fear ジェームズ・フォーリー『悪魔の恋人』。こんな感じですかと油断していると、ジェットコースターのシーンの浮遊感に唸り、いきなりの暴力に震え、後半の怒涛の展開に刮目する。めちゃくちゃ面白かった!物語の薄さよりも映画の厚みが勝るというべきか。…

『バッド・ボーイズ』

Bad Boys 毎日ブログ更新チャレンジ、14日目!ショーン・ペン主演の『バッド・ボーイズ』。最近やけに80年代づいてるのは、配給会社ビーズ・インターナショナルさんの展開する80年代パンクムービー・シリーズに影響されています。他にはない面白い展開ですよ…

『リバース・エッジ』

River's Edge ティム・ハンター『リバース・エッジ』(「ズ」ではなく)。岡崎京子『リバーズ・エッジ』のインスピレーション元作品。久々の再見。昔見たときより、ずっと好きになった。傑作ですね。ダッチワイフを恋人にするデニス・ホッパーの感情が、前に…

『ディーバ』

DIVA ジャン=ジャック・ベネックス『ディーバ』。絶対に後悔のないように、やりたいこと全部詰めました!感が、狂おしい。こんな新人映画作家をリアルタイムで体験したらビビッてしまいます、、。「シネマ・デュ・ルック」は、レオス・カラックスによる「一…

『俺たちの明日』

Reckless ジェームズ・フォーリーの長編デビュー作品『俺たちの明日』。ハル・アシュビーのおかげで撮ることができた作品らしい。この作品のことは蓮實重彦の批評で知り、その後青山真治監督が言及していたので、ずっと気になっていた。エイダン・クインのデ…

アルタヴァスト・ペレシャン

Nature 『レオス・カラックス 映画を彷徨うひと』への『ポーラⅩ』論を書く際のリサーチで、昨年末はアルタヴァスト・ペレシャンとシャルナス・バルタスの映画をひたすら見ていました。『ポーラⅩ』について書く際、シャルナス・バルタスについては避けて通れ…

『みんなのヴァカンス』評

À L'abordage CINEMOREにギヨーム・ブラック新作『みんなのヴァカンス』評「ぼくらが旅に出る理由、この旅には続ける理由がある」を寄稿させていただきました。『女っ気なし』で出会って以降、ギヨーム・ブラックはとても大切な映画作家です。今回全作品を見…

『マイ・ブロークン・マリコ』

My Broken Mariko タナダユキ『マイ・ブロークン・マリコ』試写。役を演じているというより、役を生きている永野芽郁を見ているだけで泣けた。この作品の永野芽郁の演技には漂白されていない生の輝きがある。彼女を見ているだけで価値がある。「キレイなあの…

レア・セドゥ論(キネマ旬報)

The Story of My Wife けっこう過ぎちゃいましたが、キネマ旬報8月下旬号に寄稿させていただいたレア・セドゥ論「カメラの前で歳を重ねる」を書く際に参考になったレア・セドゥの言葉などを以下に。「カメラの前で歳を重ねたいのです」という言葉にとても痺…

マチュー・アマルリック

Mathieu Amalric マチュー・アマルリック監督作品をまとめて見る。『L'Illusion Comique』(2010)は初見。『L'Illusion Comique』は、屋上の銃撃戦における空間把握やゴルフクラブを持ったヒロインが車を破壊するシーン、複数の防犯カメラのシーンなど、唐…

『雨のなかの女』

The Rain People フランシス・フォード・コッポラの『雨のなかの女』を再見。紛れもなく映画作家の作品であることに驚かされる。バーバラ・ローデンの『WANDA/ワンダ』とも共振している。フェミニズム映画としても重要な作品。家を捨て、彷徨の旅に出るナタ…

パゾリーニ映画祭「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」

Sopralluoghi in Palestina per il Vangelo secondo Matteo 「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」で上映される未公開作品の試写を二本。ドキュメンタリー映画『「奇跡の丘」のためのパレスチナ訪問』とオムニバス作品『イタリア式奇想曲』。どちらも日…

『反逆のパンク・ロック』

Suburbia ペネロペ・スフィーリスの『反逆のパンク・ロック』が公開中。とても面白い作品。ハーモニー・コリンはこの映画のこと絶対好きだと思う!最初の方のえげつない親子喧嘩のシーンで、既に素晴らしい。キッズたちを追い払うために銃持ったおじさんが出…

ロミー・シュナイダー映画祭

Romy Schneider CINEMOREにロミー・シュナイダー映画祭上映作品『地獄』と『マックスとリリー』について寄稿させていただきました。 cinemore.jp cinemore.jp Henri-Georges Clouzot's Inferno 『地獄』に関しては輸入DVDが発売された際、ブログ記事にしたこ…

『C.R.A.Z.Y.』パンフレットへの寄稿

ジャン=マルク・ヴァレ『C.R.A.Z.Y.』の劇場用パンフレットに「共に歩むということ」という評を寄稿しております。劇場にお立ち寄りの際は宜しくお願い致します! ザックの物語は家族の物語でもあって、そのことがタイトルの由来にも隠されています。『C.R.…

「Suite For Barbara Loden」

Suite for Barbara Loden CINEMOREさんへの『WANDA/ワンダ』評のリサーチで読んだナタリー・レジェによる「バーバラ・ローデンのための組曲」について少しだけ本文をご紹介。バーバラ・ローデンの言葉もあります。批評とも伝記とも私小説ともつかない、とて…

『WANDA/ワンダ』評

WANDA CINEMOREさんにバーバラ・ローデンの伝説的な作品『WANDA/ワンダ』評、「結末を拒否するヒロイン、終わりのない彼女の物語」を寄稿させていただきました! cinemore.jp アンスティチュ(旧日仏学院)で無字幕で見たのが『WANDA/ワンダ』との出会いでし…

『冬物語』評

Conte d'hiver CINEMOREさんにエリック・ロメール『冬物語』評「偶然への賛歌」を寄稿させていただきました! cinemore.jp 「四季の物語」シリーズで一番思い入れのある作品なので、この作品について書かせていただいたことを嬉しく思っています。とはいえ全…

『ジャンヌ・ディエルマン』とシャンタル・アケルマン

JEANNE DIELMAN 23 QUAI DU COMMERCE 1080 BRUXELLES シャンタル・アケルマン映画祭が盛り上がっているということで、キネマ旬報さんに執筆した『ジャンヌ・ディエルマン』評、告知記事の続きをサクッと。 maplecat-eve.hatenablog.com 『ジャンヌ・ディエル…

『MEMORIA メモリア』評

MEMORIA CINEMOREさんへの『MEMORIA メモリア』評についての番外編。アピチャッポン・ウィーラセタクンとティルダ・スウィントンによる幸福なコラボレーション。以下、アピチャッポンの言葉を。 cinemore.jp 「記憶がどのように働き、経験、特に映画を見る経…