2023年ベストシネマ(旧作)

Bildnis einer Trinkerin(1979) 旧作ベスト。すべて今年上映+配給された作品で初見・再見問わず。正直順位にあまり意味はないです。シャンタル・アケルマンなら全作品最高!と言いたくなるし、オタール・イオセリアーニもバフティヤル・フドイナザーロフ…

2023年ベストシネマ

aftersun 2023年はCINEMOREで31本、otocotoで5本、劇場用パンフレット5本他、作品公開時のコメント、キネマ旬報等に寄稿させていただきました。ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーやジャック・ロジエの特集あたりで、あまりの特集上映の多さに「原稿書く…

The Ladies man

ジェリー・ルイスの『底抜けもててもてて』。『バービー』の元ネタ関連です。素晴らしい。 グレタ・ガーウィグの元ネタは、そこまでマニアックじゃないところも、いろんな意味で助かります。とはいえ『バービー』は様々なレファレンスとか正直どうでもよい作…

Go Happy, Barbie!!

朝一で楽しみにしていたグレタ・ガーウィグ『バービー』の試写でした。 マーゴット・ロビーは言うまでもなく、ライアン・ゴズリングが現代最高の俳優の一人だと改めて再認識。待っていたよ、君のことを。 あんなに美しいミュージカルシーン、久々に見たかも…

Kingdom Exodus

ラース・フォン・トリアー『キングダム エクソダス〈脱出〉』試写。 ラース・フォン・トリアーは好きと嫌いが二周くらい回って、でもやっぱり見るべき映画作家だよなという認識で、ここ数年は固まっています。『イディオッツ』が好きですね(たしかゴダール…

Munkey Diaries by Jane Birkin

もしTwitterがあれになったとしても、ブログがあるじゃないかという再認識。 ジェーン・バーキンの日記は上下巻あって、映画作家との関係でいえば下巻の方にアニエス・ヴァルダやジャック・リヴェット、そしてもちろんジャック・ドワイヨンとのことが記して…

2022年ベストシネマ

Annette Annette 2022年はCINEMOREさんで32本、otocotoさんで4本、リアルサウンドさんで2本、『レオス・カラックス 映画を彷徨うひと』、キネマ旬報さん、かみのたねさん、劇場用パンフレット、オピニオンコメント等に寄稿させていただきました。今年好きだ…

『秘密の森の、その向こう』

Petite Maman CINEMOREさんにセリーヌ・シアマの新作『秘密の森の、その向こう』評「標本瓶に詰められた秋、さよならを忘れないために」を寄稿させていただきました。小さな呪文を唱え合うような作品。セリーヌ・シアマの最高傑作だと思っています。 cinemor…

『スペンサー ダイアナの決意/SPENCER』

パブロ・ラライン『スペンサー ダイアナの決意』試写。クリステン・スチュワート最高。パブロ・ララインは作品によって好き嫌いが大きい映画作家なので、ちょっと躊躇してしまって公開前ギリギリになってしまった。迷うことなく一番好きな作品です。アーカイ…

Sophisticated Boom Boom

音楽のスピードって前からこんなに早かったっけ?と、一枚一枚と向き合う時間がまったくないよ、、!思い始めてから早数年。毎週金曜発の新譜は一応そこそこにチェックしてはいるけど、圧倒的に聴き込みが足りない。なので遅れてもよいから一年前とか、ちょ…

女はそれを我慢できない

フランク・タシュリン『女はそれを我慢できない』(Girl Can't Help It)。ビートルズが影響を受けたというロックンロールに関する映画。久々に聴いたジュリー・ロンドンの歌声が溜息が出るほど悲しくて、リピートしている。

『ディーバ』とシネマ・デュ・ルックの時代

DIVA リアルサウンドにジャン=ジャック・ベネックス『ディーバ』と「シネマ・デュ・ルック」に関するコラムを寄稿させていただきました! realsound.jp 「初めての映画作り。空は青かった。エディット・ピアフは“もっと青く”と歌っていた。空の青さだって、…

『マイ・ブロークン・マリコ』評

My Broken Mariko otocotoさんにタナダユキ『マイ・ブロークン・マリコ』評、「あらゆるレッテルを拒否するヒロイン、シイノ=永野芽郁」を寄稿させていただきました! otocoto.jp 永野芽郁さんに捧げるつもりで書かせていただきました。瀬田なつき監督の『…

微笑むブーデ夫人/Le Souriante Madame Beudet

ジェルメーヌ・デュラック『微笑むブーデ夫人』。サイレント期のフェミニズム映画。最近のセリーヌ・シアマは、アリス・ギイやデュラックから多くを学んでいるらしい。『秘密の森の、その向こう』にも確かにそのイメージが引用みたいな分かりやすい形ではな…

『ロザリンとライオン』

ジャン=ジャック・ベネックス『ロザリンとライオン』のディレクターズ・カット。初見なのだけど、こちらしか手に入らず。素晴らしい。傑作だと思います。 ベネックスの作品を再見も含め全部見ました(いくつかのドキュメンタリー除く)。『ディーバ』の前に…

『コンクリート作戦』『コケティッシュな女』

ゴダールの初期短編を年代順に二本。このままゴダール全作いきましょうか。『コンクリート作戦』は、ゴダールがフィクション作品ではなく、人物を撮るわけでもなく、ここから始まったということが最も重要なことだと思う。映画のスペクタクルに溢れている。…

『ケイコ 目を澄ませて』

三宅唱監督『ケイコ 目を澄ませて』試写。素晴らしかった!試写室出て、三宅監督におめでとうございます!って言いたかったです(探したけど既に不在でした。残念!)。ステップ、そしてさらに美しいステップへ。前からですが、三宅監督はリズム感が抜群です…

R.I.P.ゴダール

ゴダールが亡くなったとき、映画は終わると本気で信じていた時期がありました。映画はゴダールよりも大きい?たぶん、そう。でも、そこまで思わせてくれる人が二度と現れないことも知っている。それでも映画は続くなんて、そんな強い言葉をいまは言えません。…

『溝の中の月』

ジャン=ジャック・ベネックス『溝の中の月』。『ディーバ』が低予算で撮られたとか驚きでしかないけど、こちらは『ディーバ』の成功を受けてチネチッタで撮影されたという二作目。批評的にも興行的にも惨敗だったそうですが、この作品のことは好きです。ス…

R.I.P.アラン・タネール

Jonas qui aura 25 ans en l'an 2000 R.I.P.アラン・タネール...。

パゾリーニ映画祭へのコメント

本日から開催「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」にコメントを寄稿させていただきました!推薦作品は『大きな鳥と小さな鳥』を選びました。『ソドムの市』と迷いましたけどね。でも、みんな『ソドムの市』だったらどうしよー?と思い、パゾリーニの宣…

『ブルーバレンタイン』

Blue Valentine ミシェル・ウィリアムズのお誕生日!現代で一番好きな俳優の一人です。一番凄いと思ってるかも。というわけで以前CINEMOREさんに寄稿した『ブルーバレンタイン』評「恋人たちの刻印」。 cinemore.jp ライアン・ゴズリングの言葉を以下に抜粋…

ギヨーム・ブラックへの白紙委任状

Coupe à dix francs CINEMOREさんへの『みんなのヴァカンス』評を書く際、これまでにギヨーム・ブラックへの白紙委任状で上映された作品群も併せて見ました。あらためてホン・サンスはいろんな映画作家に霊感を与えているなと思う。エリック・ロメールの『友…

『悪魔の恋人』

Fear ジェームズ・フォーリー『悪魔の恋人』。こんな感じですかと油断していると、ジェットコースターのシーンの浮遊感に唸り、いきなりの暴力に震え、後半の怒涛の展開に刮目する。めちゃくちゃ面白かった!物語の薄さよりも映画の厚みが勝るというべきか。…

『バッド・ボーイズ』

Bad Boys 毎日ブログ更新チャレンジ、14日目!ショーン・ペン主演の『バッド・ボーイズ』。最近やけに80年代づいてるのは、配給会社ビーズ・インターナショナルさんの展開する80年代パンクムービー・シリーズに影響されています。他にはない面白い展開ですよ…

『リバース・エッジ』

River's Edge ティム・ハンター『リバース・エッジ』(「ズ」ではなく)。岡崎京子『リバーズ・エッジ』のインスピレーション元作品。久々の再見。昔見たときより、ずっと好きになった。傑作ですね。ダッチワイフを恋人にするデニス・ホッパーの感情が、前に…

『ディーバ』

DIVA ジャン=ジャック・ベネックス『ディーバ』。絶対に後悔のないように、やりたいこと全部詰めました!感が、狂おしい。こんな新人映画作家をリアルタイムで体験したらビビッてしまいます、、。「シネマ・デュ・ルック」は、レオス・カラックスによる「一…

『俺たちの明日』

Reckless ジェームズ・フォーリーの長編デビュー作品『俺たちの明日』。ハル・アシュビーのおかげで撮ることができた作品らしい。この作品のことは蓮實重彦の批評で知り、その後青山真治監督が言及していたので、ずっと気になっていた。エイダン・クインのデ…

アルタヴァスト・ペレシャン

Nature 『レオス・カラックス 映画を彷徨うひと』への『ポーラⅩ』論を書く際のリサーチで、昨年末はアルタヴァスト・ペレシャンとシャルナス・バルタスの映画をひたすら見ていました。『ポーラⅩ』について書く際、シャルナス・バルタスについては避けて通れ…

『みんなのヴァカンス』評

À L'abordage CINEMOREにギヨーム・ブラック新作『みんなのヴァカンス』評「ぼくらが旅に出る理由、この旅には続ける理由がある」を寄稿させていただきました。『女っ気なし』で出会って以降、ギヨーム・ブラックはとても大切な映画作家です。今回全作品を見…