2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『ディア・ドクター』(西川美和/2009) 他

朝の光の中で眠たい目を擦りながら、嗚呼もうこの世界にはマイケルがいないのだなと、いつもの見慣れた景色や空気、隙間、合間にとても深い断絶を感じています。20世紀が本当に終わったんだなという虚脱感が更に追い討ちをかける。偉大なる魂の喪に服すよ…

Michael Jackson

ブルース・ウェーバーが撮った『レッツ・ゲット・ロスト』を観てチェット・ベイカーのヘロイン漬けの凍りのような死に様に感慨深い気持ちになりながら、さていざ寝ようというときにマイコーの訃報が入ってきて、そのまま寝れずにいる。いままでマイコーの顔…

『ナタリー・グランジェ』(マルグリット・デュラス/1971)

ハリウッドスターを迎える普段の放送より緊張感と高級感が5割ほど高いと思われるジャンヌ・モローがゲストの「アクターズ・スタジオ・インタビュー in パリ」(@シネフィルイマジカ)は、モローのユーモアを交えた知的な語りも必見なのだけど、途中から煙…

『レスラー』(ダーレン・アロノフスキー/2008)

「デフレパード、モトリー・クルー、ガンズ・アンド・ローゼズまでは良かった。ところがニルヴァーナの登場でお気楽ムードも台無し、、、90年代最低!」 「80年代最高、90年代最低」と酒場で意気投合したミッキー・ロークとマリサ・トメイのバックでL…

『たのしい写真 よい子のための写真教室』(ホンマタカシ)

たのしい写真―よい子のための写真教室作者: ホンマタカシ出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2009/05/01メディア: 単行本購入: 17人 クリック: 159回この商品を含むブログ (100件) を見るホンマタカシが平易な文章で(というところがポイントなのですが)ざっく…

『バナナの皮』(マルセル・オフュルス/1963)

輸入DVDでマルセル・オフュルス『バナナの皮』、無字幕で。あのマックス・オフュルスの息子、マルセル・オフュルスですが、ほとんど日本では紹介されていない作家ですね。『バナナの皮』はレアグルーヴ大好きっ子の間ではサントラの方が有名で、実際、ジ…

『ウルトラミラクルラブストーリー』(横浜聡子/2009)

さて昨日の続きで『ウルトラミラクルラブストーリー』。松山ケンイチがほとんど何を言ってるのか聴き取れない津軽弁で幼児的アクションをアナーキーなまでに炸裂させている様がまず全くもって素晴らしい。拡声器を片手に青森の田園風景を軽トラで走る様は相…

『沈黙の世界で猫が泣く』

松山ケンイチ+麻生久美子の『ウルトラミラクルラブストーリー』(横浜聡子)が素晴らしすぎる。松山ケンイチの幼児的アクションはアナーキーですらあると思う(今更ながらマツケンっていい役者だよねー)。麻生久美子がやっと傑作にめぐり合えたことが嬉し…

『こおろぎ』(青山真治/2006)

「カンヌ映画祭ハイライト」で放送されたツァイ・ミンリャン『Visage(顔)』の抜粋映像にひどく泣かされた。古典ミュージカルのような絢爛な衣装を纏って唄い踊るレティシア・キャスタの多幸感と、その傍らで壁に頭をもたれ深く悩ましげなジャン=ピエール…