2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

WEB上の映画

もはやどんな稀少な映画がYoutubeその他にアップされていようと驚かなくなってしまったこの頃ですが、個人的には『公共問題』(ロベール・ブレッソン)をYoutubeで見てしまったことの後悔から、WEB上で映画を見ることをかなり前にやめてしまった。短編なら「…

『コリントへの道』(クロード・シャブロル/1967)

輸入DVDでクロード・シャブロル&ジーン・セバーグ『コリントへの道』。英題を『The Road to Corinth』又は『Who's Got the Black Box』。よくいわれるヒッチコックからの引用/影響云々より、同時代の、例えば『唇からナイフ』(ジョセフ・ロージー)の…

マイケルのダンス

『THIS IS IT』最終日入場叶わず。もしかすると『THIS IS IT』の、というより、この作品におけるマイケルのダンスの凄まじさを最も正確に語れるのは現役のダンサーたちかもしれない。これは某掲示板でどなたかが書かれていたことですが「マイケルは決して派…

『ひとりで生きる』(ヴィターリー・カネフスキー/1992)

ヴィターリー・カネフスキー特集@ユーロスペースにて『ひとりで生きる』初見。多くの映画好きの方と同じく、『動くな、死ね、甦れ!』は、孤高の厳しさ、美しさの前に茫然唖然としてしまう作品として、初見時から今尚鮮烈な記憶が残っている。カネフスキー…

『イングロリアス・バスターズ』(クエンティン・タランティーノ/2009)

実は既に3度目。やっぱ泣ける。どこまで好きなんだという。メラニー・ロランの経営する映画館の看板が「G.W.パブスト」から「アンリ=ジョルジュ・クルーゾー」に張り替えられていたりとか一度目にはスルーしてしまった細部の発見は多々あれど、『イングロ…

『パリ・オペラ座のすべて』(フレデリック・ワイズマン/2009)

これは最高の作品ですね。まるで最初のショットが生まれたときからマスターピースとして宿命付けられているような画面の充実。これを「ワイズマン・マジック」と一言で片付けてしまってよいのか?とにかくスゴイ映画だった。個人的にベストダンスは女の子た…

『ヴィサージュ』(ツァイ・ミンリャン/2009)

フィルメックスにてツァイ・ミンリャンの新作。アジア圏の映画作家がフランス資本で映画を撮り成功する昨今の例に洩れず、ツァイ・ミンリャンの新作は大変に興味深い仕上がりになっている。ただ恐らく『ヴィサージュ』やツァイ・ミンリャンの過去作を全く評…

『イングロリアス・バスターズ』(クエンティン・タランティーノ/2009)

地元シネコンにてタランティーノ新作初日。前作『デス・プルーフ』のときより本作を語るの声の調子がやや落ち着いたトーンのように感じるのは気のせいでしょうか?いやいや、とんでもない!これは大・大傑作じゃないか。まだ公開初日なのでネタバレに注意し…

『島の探求』(ルドルフ・トーメ/1979)

赤坂大輔氏によるレクチャー・シリーズ『New Frontier New Cinema』@UPLINKにてルドルフ・トーメ。3時間15分。果たしてルドルフ・トーメ初体験がこれでよかったのかどうかという疑問は大いに残るものの、ルドルフ・トーメやストローブ=ユイレ以降のドイ…

『ユキとニナ』(諏訪敦彦、イポリット・ジラルド/2009)

日仏学院にて来年1月に恵比寿ガーデンシネマにて公開される『ユキとニナ』の先行上映。上映後に諏訪・ジラルド両監督のティーチイン付き。イポリット・ジラルドはデプレシャンの近作や『レッド・バルーン』(ホウ・シャオシェン)における演技が記憶に新し…

ゴダール『Socialism』のポスター

・『Socialism』のポスターが発表された模様。先日までweb上に公開日(1月10日)まで具体的に書いてあったのだけど、どうなったのだろう。パティ・スミスが出てるんだよね。楽しみだな。以下、スペースが余ったので雑記。 ・『アンチクライスト』(トリア…

『35 RHUMS』(クレール・ドゥニ/2008)

輸入DVDでクレール・ドゥニ。個人的にとても期待している新作『ホワイト・マテリアル』の前の作品。ジム・ジャームッシュが『リミッツ・オブ・コントロール』を撮っている裏で、同じく黒人俳優アレックス・デスカス(空港で最初に暗号を渡す人)を起用、…

『スペル』(サム・ライミ/2009)

地元シネコンレイトにてサム・ライミの新作。サム・ライミ版『エクソシスト』とでもいうべき悪魔憑きの物語。ヒロインとその彼氏の容姿をはじめ、最新技術を除いてしまえば70年代ホラー映画の趣きさえ感じる。世界でも指折りの演出家たるサム・ライミによ…

『ルート1』(ロバート・クレイマー/1989)

アテネフランセ、クリス・フジワラ氏による連続講義「アメリカ映画における時間とパフォーマンス」にて初ロバート・クレイマー。255分。其処に描かれているアメリカの社会史/個人史への非常に透明度の高い、痛みの批評を語る以前に、まず、とにかく面白…