2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『恋のモンマルトル』(ラズロ・ザボ/1975)

恋のモンマルトル [DVD]出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ発売日: 2004/04/23メディア: DVD クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見るDVDで。ゴダールはじめヌーヴェルヴァーグの作品に多くクレジットされているあのラズロ・ザボの監督作…

『天使の入江』(ジャック・ドゥミ/1962)

こちらは昨年の東京でのセレクションには入ってなかった作品。ジャック・ドゥミ&ミシェル・ルグランです。浜辺に近い路上に立つジャンヌ・モローをアイリス・インで捉え、そのまま全速力でカメラが後退していくファーストショットから鷲掴みにされる。思わ…

『あなたの目になりたい』(サシャ・ギトリ/1943)

アテネフランセ「フランス映画の秘宝 最終上映」にて2本。ジュヌヴィエーヴ・ギトリ(サシャ・ギトリの奥様)の美しさに吸い込まれる。サシャ・ギトリ演じる彫刻家が作品タイトルの通り徐々に視力を失っていく。街灯のない闇夜の路上を恋人同士、懐中電灯を…

VIVIAN GIRLS

Everything Goes Wrongアーティスト: Vivian Girls出版社/メーカー: In the Red Records発売日: 2009/09/08メディア: CD購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (7件) を見る思いもよらぬヴィヴィアン・ガールズの大化けに感銘、感涙の嵐です。轟音ロ…

『リミッツ・オブ・コントロール』(ジム・ジャームッシュ/2009)

地元シネコンにてジム・ジャームッシュ新作。個人的にゼロ年代は08年でひとまず終わったような実感があるのですが、これは来たるべきテン年代(!?)の到来を告げようハードコアな傑作だなと、いたく感銘を受けました。いてもたっても居られなくなり2回…

『しんぼる』(松本人志/2009)

東京国際映画祭ラインナップ決定。まださらッとしか見てないけど思わず仰け反ったのはリヴェットの新作があるからさ!エリア・スレイマン!キアロスタミ!スコリモ特集はDVD全部持ってるよーとかそうゆう問題ではなくフィルムで見れる(だよね?)ことに…

『アニエスの浜辺』(アニエス・ヴァルダ/2008)

こちらは間もなく公開される最新作の先行上映。「アニエス・ヴァルダによるアニエス・ヴァルダ」といった趣きのセルフドキュメンタリー。冒頭の浜辺に無数の鏡を乱立させるヴァルダのシーンからしてガーリーで夢魔なヴァルダ的世界が構築されている。黒沢さ…

『歌う女、歌わない女』(アニエス・ヴァルダ/1977)

実は今回の特集の中で最もフィルムで見たかった作品。あからさまに「リブ万歳」というか「闘う女」なイメージなので敬遠されがちな作品なのかもしれませんが、個人的には思い入れのある作品。さすらう女2人組、故郷喪失者の物語という時点で既にツボ突きま…

『ポワント・クールト』(アニエス・ヴァルダ/1954)

本日のスペシャルゲストは黒沢清&小泉今日子ということで朝一で並ぶつもりが予定より30分の寝坊、キョンキョンは無理かな、と諦めていて、やっぱり長〜〜い行列が出来ていたのですが、わりと余裕を持って入れちゃいました。天気が悪かったせいかな?目の…

『かもめ』(マルコ・ベロッキオ/1977)

スコリモ、ウルマーと悉く日程が合わず縁がないのかなーと思っていた法政大学にてマルコ・ベロッキオ。本日2本上映された内のこちらは2本目。と書き出してみたものの、この作品についていったい何を語ったらよいのか困る。まとまったことを書けそうもない…

『サブウェイ123 激突』(トニー・スコット/2009)

地元シネコンレイトにて。おおお!なんというクロスカッティングの鬼!この作品の9割はデンゼル・ワシントンとジョン・トラボルタのクロスカッティング(又は切り返し)のみで出来ていて、しかもその内の7割近くの時間、2人は移動すらしない、指令室と地…

『ミーポック・マン』(エリック・クー/1995)

こちらはフィルム上映。冴えない青年と娼婦って設定がどこかツァイ・ミンリャンぽいなーと途中までは思っていたのですが、ひとまず「何処か遠くへ行きたい女」と「此処に留まり続ける男」の物語といえる。映画の後半、青年が女性を拾い家に持ち帰るあたりか…

『12階』(エリック・クー/1997)

シンガポール映画祭@シネマート六本木にてエリック・クー作品。エリック・クーといえば、昨年のカンヌのコンペティション部門で上映された『私のマジック』(東京国際映画祭でも上映)がカイエに取り上げられていたり、日仏学院で上映された『一緒にいて』…

『ドキュメントする人』(アニエス・ヴァルダ/1981)

これも面白かった。日本語同時通訳で。幼い頃のマチュー・ドゥミ少年はガス・ヴァン・サントの映画に出てくるような美少年。なんて綺麗な顔立ちをした少年だろうか。さて、ここでも浜辺が出てくる。タイプライターを打つ女性(主人公)の背中の向こう窓の向…

『コートダジュールの方へ』(アニエス・ヴァルダ/1958)

こちらはゴダールが賛辞を贈っている傑作短編。誰にも聞こえないように小さく拍手をしてしまいました。素晴らしいです。空絵が中心なのですが、横への動きの途中で急激に上昇しピタりと止まるカメラにビクッとする。人為が描き出す楽園が崩壊して、すべての…

『オペラ・ムッフ』(アニエス・ヴァルダ/1958)

こちらは初期傑作短編。ヴァルダらしい模様と身体の形への執着の傍らで、ちょっとシュールレアリスティックな表現も面白い。ヴァルダの好きな模様って、砂丘にできた綺麗な渦巻きとか、美しい木目とか、壁にできたウネリとか、浜辺、波の形と常に関係してい…

『ダゲール街の人々』(アニエス・ヴァルダ/1976)

こちらはダゲール街の一部の地区を追ったドキュメンタリー。これも珠玉の傑作でしたね。ドラキュラ伯爵のように不敵な笑みでマントを広げる男性が冒頭に出てくる。この作品でまず面白いのはこのようなユーモアたっぷりの、バカバカしいモンタージュでしょう…

『女性たちの返事』(アニエス・ヴァルダ/1975)

こちらは短編。英語字幕付き。世界において女性たちが曝されている視線への考察。女性の身体がオブジェ化する。オブジェ化されながら尚強い視線をこちらに向け続ける複数の女性たちの「切り返し」として複数の男性の視線が描写される。

『創造物』(アニエス・ヴァルダ/1966)

日仏学院にて『アニエスの浜辺』公開記念*特集「アニエス・ ヴァルダの世界」2日目。たとえばヴァルダの代表作『幸福』(1965)が苦手という人がいたら、今回の特集でアニエス・ヴァルダという作家へのイメージを一旦リセットした方がよいと思う。ヌー…

川上未映子『ヘヴン』

ヘヴン作者: 川上未映子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/09/02メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 271回この商品を含むブログ (237件) を見るこのところ川上未映子さんの初長編作『ヘヴン』にすっかりやられてしまっている。なんとまあハードコアな…

『ヘルブレイン』(モンテ・ヘルマン/1989)

モンテ・ヘルマンは本作から『Stanley's Girlfriend』(『デス・ルーム』に収録)まで映画作家としては17年間の沈黙を強いられる。なんてこった。この企画物を60〜70年代の途方もない傑作群と比べてしまうのは酷だし、いくらヘルマン作品といえどマス…

『コックファイター』(モンテ・ヘルマン/1974)

コックファイター [DVD]出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2002/10/02メディア: DVD クリック: 11回この商品を含むブログ (8件) を見るモンテ・ヘルマン特集、その4。久々の再見。ウォーレン・オーツが口を利かなくなるキッカケとなったホテルでの闘…