『ポワント・クールト』(アニエス・ヴァルダ/1954)


本日のスペシャルゲストは黒沢清小泉今日子ということで朝一で並ぶつもりが予定より30分の寝坊、キョンキョンは無理かな、と諦めていて、やっぱり長〜〜い行列が出来ていたのですが、わりと余裕を持って入れちゃいました。天気が悪かったせいかな?目の前にいる実物のキョンキョンは映画やTVで見るより遥かに可愛いくて感激してしまいました。あとキョンキョンといえばやっぱあの声ですね。客席からの質問コーナーで「好きな映画は?」と出る。小6の時土曜半日の学校から帰って来て昼下がりのTVに映っていたトリュフォーの『黒衣の花嫁』を夢中になって見ました、とのお答え。


さて本日1本目はヌーヴェルヴァーグの先駆けとして知られるヴァルダの長編デビュー作。後々ヴァルダの作家の烙印ともなる彼女らしいアイテムが既に出揃っている感がある。浜辺、猫、蟹、等々、、。空絵のカメラワークとか男女が愛の不毛を語り合うような展開にアラン・レネの名が浮かぶのですが、実際この作品の編集と足りない画の撮影はレネの仕事だと『アニエスの浜辺』で語られていました。何処を切り取っても画になるような練りに練ったロケーション(港町や浜辺がメイン)が素晴らしい。真っ白い洗濯物のはためきや、波に打ち上げられた黒猫の死体や、傾いた廃船内の木造の模様は、男女の交わす「愛の不毛」の言葉と重なり合って様々なイメージを喚起させる(廃船は子宮への「退行」をどうしたって思わせる)。港町のお祭りで舟に乗った水兵たちがお互いに落とし合うゲーム(騎馬戦みたく)シーンの楽天性も素晴らしい。