2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『Camarades』(マラン・カルミッツ/1970)

輸入DVDでマラン・カルミッツ長編第2作『Camarades』。先の長短編が「夜を彷徨い歩く夢遊病者の映画」だったのに対し、68年5月革命以降に『同志』と名付けられた本作は、かつて夢遊病者を囲っていたモラトリアム的な障壁が実際の運動へ向けて決壊する…

『Sept jours ailleurs』(マラン・カルミッツ/1969)

こちらは長編処女作。主人公ジャック・イジュランの7日間の愛人役にカルミッツの奥さんカトリーヌ・カルミッツ、ジャックの妻役にミシェール・モレッティ。ミシェール・モレッティはジャック・リヴェットの『狂気の愛』や『アウトワン』、マルクOの『アイ…

『Nuit noire, Calcutta』(マラン・カルミッツ/1964)

輸入DVDでMK2創業者マラン・カルミッツの監督作品。こちらの短編は脚本マルグリット・デュラス、主演モーリス・ガレルという並びから、当時の野心に溢れた闘争・連帯を背景に感じさせる処女作。DVD−BOXにはモーリス・ガレルがナレーションを務め…

『(500)日のサマー』(マーク・ウェブ/2009)

既にいろんな方が思い入れたっぷりに書いているので(どれも面白かったです)今回は記事にするのいいかな?(Twitterでちょっと呟いちゃったし)と思っていたのだけど、別の視点で書けることも少しばかりあるかな?と思い直したので書いておきます。所謂「デ…

ERIC ROHMER

今朝、静かに目を閉じてロメールのフィルムを再生すると、外ではシトシトと雨が降っていて、『クレールの膝』の雨宿りばかりが繰り返し浮かんでいた。黙祷。結局誰も真似することの敵わなかったロメールの作品を、真の意味で私たちが「発見」するのは、まだ…

『The Corridor』(シャルナス・バルタス/1994)

相対性理論&渋谷慶一郎『アワーミュージック』で快く幕を開けた2010年。一発目は輸入DVDでリトアニアの映画作家シャルナス・バルタスの『The Corridor』。シャルナス・バルタスの映画を見るのは恐るべき処女中篇『Praejusios Dienos Atminimui』、長…

2009年ベストシネマ

新年明けましてオメデトウゴザイマス。さてさて2009年ベストシネマ。2009年は傑作揃いだった2008年と比べてやや落ちるみたいなことは全然なく、こうしてリストを並べてみるとむしろ去年より凄かったんじゃないかと思える。やはりアメリカ映画の…