2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

廣瀬純×菊地成孔@映画美学校 〜その三〜

(前回のつづき) シネキャピタル以後について。映画とは宇宙のすべてのイメージを取り込むことができる容れ物である。すべてであるからには、これは民主主義である。しかし映画が民主主義であったとして(逆に民主主義であるからこそ)、ここには選別と排除…

廣瀬純×菊地成孔@映画美学校 〜その二〜

(前回のつづき) ヒッチコック『鳥』について。シネキャピタル語録としては「万国の鳥たちよ、団結せよ。失うものは羽しかない」は「万国の労働者よ、団結せよ。失うものは鉄鎖しかない」の言葉の組み替えなわけだけど、これはヒッチコック×トリュフォーの対…

廣瀬純×菊地成孔@映画美学校 〜その一〜

個人的に大注目していた「廣瀬純×菊地成孔」の公開対談に行ってきた。名著『シネキャピタル』の著者廣瀬純の名前はカイエ・ジャポン時代から知っているという熱心な映画好きでなくとも、菊地成孔に寄せた文章(ユリイカ「特集*菊地成孔」号)など、別方面か…

『アイム・スティル・ヒア』(ケイシー・アフレック/2010)

あの素晴らしい『TWO LOVERS』(ジェームズ・グレイ)を最後に俳優引退宣言、ラッパーに転身した天才俳優ホアキン・フェニックスを追ったドキュメンタリー。監督は友人の俳優ケイシー・アフレック。劇中に『TWO LOVERS』のプロモーション活動が含まれること…

『エッセンシャル・キリング』(イエジー・スコリモフスキ/2010)

東京国際映画祭で体験することが叶ったスコリモフスキ新作の余韻が未だ消えない。戦闘機(ヘリ)のプロペラが回る更に上空から撮られた空撮ショットと地上からの切返しで始まる冒頭から驚愕のラストまで、文字通り席から身を乗り出して体験してしまった。本…