2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2009年、10枚の音盤+1+1EP

単純によく聴いた順に並べます。南米→中米→北米へと向かうペペの新譜はゴダールの手法でリンチの世界=記憶を編集したかのような。このサウンドを聴いていると何故か失われた無声映画の女優へと思いを馳せてしまう。女優の霊を召喚する儀式のような。ハリウ…

『ぼくら、20世紀の子供たち』(ヴィターリー・カネフスキー/1993)

黄金町ジャック&ベティでカネフスキー。扉を閉めることによって「皮肉なくじ運」の20世紀(ソ連崩壊)の子供たちの記憶は甘美な厳しさでパッケージされる。ただ、この扉は1つ世紀を跨ぎ、現在の日本で再び開かれてしまったような感覚、認識を持っている…

『アバター』(ジェームズ・キャメロン/2009)

地元シネコンレイトにてジェームズ・キャメロン『アバター』。3D(初日)と2D(本日)、両方のヴァージョンを体験したのだけど、これはとても価値のあることに思えた。ハッキリと断言できるほどの確信はないのだけど、3Dは製作者側の見せたい部分が強…

『倫敦から来た男』(タル・ベーラ/2007)

同じくイメージフォーラムにてタル・ベーラの新作。海外におけるこの作家への絶大な評価とは裏腹に日本におけるタル・ベーラの評価はかなり微妙、どちらかというと積極的に違和感を表明する人の方が多いような。ただ『ヴェルクマイスター・ハーモニー』(2…

『アンナと過ごした4日間』(イエジー・スコリモフスキ/2008)

イメージフォーラムにて1年振りの再見。昨年の東京国際映画祭で見たときはスコリモ登壇という映画祭独特の緊張感も手伝ってか、とにかく圧倒された本作。まるで戦争が終わったことを知らされていない唯一の地区であるかのように、この灰色の空は鈍く、未だ…

『証人たち』(アンドレ・テシネ/2007)

横浜日仏学院にてアンドレ・テシネ。英語字幕付き上映。エマニュエル・ベアールがタイプライターを猛烈な勢いでキーパンチするタイトルバックから息咳きったかのような忙しなさが全編を支配する。とにかく展開が早い、早い。早いだけでなく詰められた情報量…

『悪の華』(クロード・シャブロル/2003)

輸入DVDでゼロ年代シャブロル。こちらは以前シネフィルイマジカ放送された作品だそう。ゼロ年代シャブロルの特徴はカメラが自由闊達に動き回ることなのだろうか?まずタイトルバックに被さる長回しのファーストショットが所謂「亡霊ショット」というやつ…

『パブリック・エネミーズ』(マイケル・マン/2009)

地元シネコンレイトにて『パブリック・エネミーズ』初日。この作品を「顔」でつなぐ切り返しのサスペンス、とするならば、同じ土俵に乗ったマイケル・マンに対するトニー・スコットの圧倒的優位は揺るがない。職人芸の域を超え奇妙な突出さえ見せるトニスコ…

『意地悪刑事』(クロード・シャブロル/1985)

輸入DVDで80年代シャブロル。原題は”鶏肉のビネガー”といったところなんだけど、映画を見れば思わず納得の邦題。ジャン・ポワレのヤクザ紛いの破天荒な捜査が強烈すぎ。当然元妻ステファーヌ・オードランが出ていることが個人的に最大のポイント。ただ…

W杯抽選会

深夜の生中継ドギマギしながら見ましたよ。日本はオランダ、デンマーク、カメルーンですか。どこも強くて華があって楽しそうじゃないか。スカパーのゲストはオシムだったのだけど、他の解説陣の言葉を全否定して、より厳しく慎重に選択された言葉で語る久々…

『プレジャー・パーティー』(クロード・シャブロル/1975)

輸入DVDでクロード・シャブロル『プレジャー・パーティー』。一応邦題は『お楽しみ』らしいのだけど、あまりにも微妙すぎるタイトルなので英題にしておく。シャブロルの放つショットとショットの間に生まれるポエジーが紋切型から微妙にズラされているの…