2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

困難

・ファスビンダーの映画を語ることの困難。青山さんの仰るとおり、ドイツ現代史をある程度知らないと理解するのは難しいという。そうなのだよね。それが何なのか指摘できない知識不足の自分でもファスビンダーの映画を見れば、その背後に横たわっている歴史/…

『戦争のない20日間』(アレクセイ・ゲルマン/1976)

下高井戸にて。『フルスタリョフ、車を!』(1998)は全くもって意味不明にも関わらず強烈な映画体験として未だに忘れられないでいる。なにか巨大な魂の塊を投げつけられたような。そのゲルマン氏による長編第2作目。やっぱり凄かった。これも打ちのめ…

ソフトに死んでいる

Sweet Spotアーティスト: ゆらゆら帝国,Shintaro Sakamoto出版社/メーカー: ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ発売日: 2005/05/18メディア: CD購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブログ (202件) を見る改めて聴く。今もって新鮮。「貫通前…

上半期など

・今年の上半期は『イースタン・プロミス』『コロッサル・ユース』『ダージリン急行』『スウィニー・トッド』って感じでした。期待してた作品にハズレもあったけど、こう列挙してみると結構充実してたんじゃないか、と思います。その着地点に「うーーん」っ…

『シナのルーレット』『哀れなボルヴィーザー』(ライナー・W・ファスビンダー/1976、1977)

そのままアテネフランセへ。アンナ・カリーナ主演『シナのルーレット』は再見。『ホームドラマ』(フランソワ・オゾン)冒頭シーンの元ネタあり。『哀れなボルヴィーザー』は初見。明らかに寝不足で途中何度もウツラウツラしてしまった。無理矢理見ちゃ駄目…

『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(スティーブン・スピルバーグ/2008)

『宇宙戦争』『ミュンヘン』と凄まじい現代映画を撮ったスピルバーグですが今回はウーーム。画面でとんでもなく楽しいことが起こっている(はず)にも関わらず自分だけ取り残されてしまったような。スピルバーグよりルーカス色が強いとか??”転向”以前のス…

ロシアースペイン 0−3

録画で見ようと思ってたのに結局生中継で見てしまった。寝たのは朝6時。それにしても素晴らしい試合内容だった。セルヒオ・ラモス、イニエスタ、セスク・ファブレガス!点こそ取れなかったものの、フェルナンド・トーレスの技ありトラップに鳥肌立ったり。…

Bobby Hutcherson〜DJ Grievous

Obliqueアーティスト: Bobby Hutcherson,Herbie Hancock出版社/メーカー: Blue Note Records発売日: 2006/08/21メディア: CD クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る今日初めて聴いたのだけど、これはひたすら美しいブルーノートの名盤。67年の録…

『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(デヴィッド・クローネンバーグ/2005)

ヒストリー・オブ・バイオレンス [DVD]出版社/メーカー: 日活発売日: 2006/09/08メディア: DVD購入: 4人 クリック: 90回この商品を含むブログ (151件) を見るやっぱこれは大傑作。家族の歴史は暴力の歴史。階段でのセックスシーンは何度見ても素晴らしいわん…

『イグジステンズ』(デヴィッド・クローネンバーグ/1999)

イグジステンズ [DVD]出版社/メーカー: ギャガ発売日: 2007/07/06メディア: DVD クリック: 12回この商品を含むブログ (19件) を見るDVDでクローネンバーグ2本。『イースタン・プロミス』熱に浮かされて再見。「ゲーム殺し」は「映画殺し」なのかもしんな…

ゴダール最新TV短編

「l'enfant secret」(秘密の子供)。「les yeux verts」(緑の眼)。しかしこの声スバラシイねッ。聴き惚れてしまう。 緑の眼作者: マルグリットデュラス,Marguerite Duras,小林康夫出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1998/08メディア: 単行本購入: 1人 …

『ウェッシュ、ウェッシュ、何が起こっているの?』(ラバ・アメール・ザイメッシュ/2001)

『ウェッシュ、ウェッシュ』は監督が私財叩いて作り上げたデビュー作であり自主映画とのこと。先の2本と打って変わりフランス郊外不良少年たちが織り成すギャングスタ映画といった趣き。監督の黒人音楽への愛情が選曲にも表れていてオリジナルのHipHopに加…

『ブレッド・ナンバー・ワン』(ラバ・アメール・ザイメッシュ/2006)

『ブレッド・ナンバー・ワン』はチラシ等の解説に「侯孝賢の最も解き放たれた作品を想起するかもしれない〜」(フロドン氏)とあるのだけど、それって純粋映画ってことですよね。さすがにそれは言い過ぎ、煽りすぎ。海はフランス語で女性名詞、の如くの女性…

『最後の抵抗(マキ)』(ラバ・アメール・ザイメッシュ/2008)

日仏学院にてフランス注目の若手作家ラバ・アメール・ザイメッシュを3本。各作品上映前に監督さんの御挨拶&最後に青山真治氏との対談あり。 『最後の抵抗(マキ)』はフランス本国でもまだ上映されていない(つい先日のカンヌで上映)という出来立てホヤホ…

『何故R氏は発作的に人を殺したか』(ライナー・W・ファスビンダー/1970)

更に打って変わってカメラが役者の即興演技を捉える『狂気の愛』や『アウトワン』のリヴェット的な又はカサヴェテス的な作風。いや、嘘です。どっちもちょっと違う気はする。「発生時間」という点と「顔」という点において違う。ここでの「時間」は映画の経…

『悪の神々』(ライナー・W・ファスビンダー/1969)

こちら打って変わってフィルムノワール風犯罪劇。閉所的な画面が続く中、車の移動を捉えた開放的な空撮(!)へのジャンプに仰天した。ここでも女性へのビンタが炸裂する!

『出稼ぎ野郎』(ライナー・W・ファスビンダー/1969)

アテネフランセでファスビンダー3本。早起きしてインディも見たかったのだが。あと『イースタン・プロミス』も早いとこ再見したい気分。ホント大好きなのだ。 今日見た3本は年代順に並びながらも、それぞれ全く違う作風でびっくり。その中でも長編2作目に…

コカイン山盛り伝説とタトゥー入れたロシア人

・スライ&ファミリーストーン初来日って。スゲェ、ウソみたいですね。ブルーノート1万5千円ですか!?でも、い、行きたい。完璧だと思うサウンドのひとつですね。 http://www.bounce.com/news/daily.php/14592 ・菊地成孔、ペドロ・コスタを語るって。菊…

クラムボン『たゆ たう』

たゆ たう -GOOD TIME MUSIC of Clammbon- [DVD]出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント発売日: 2008/05/21メディア: DVD購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブログ (39件) を見る寝る前に見たら眠れなくなってしまった。クラムボン…

『不安と魂』『デスペア』(ライナー・W・ファスビンダー/1973、1978)

『不安と魂』はダグラス・サークの『天の許し給うものすべて』(1955)のリメイクとして知られていますが、画の作り方とか出てくる役者陣の顔を見ると思いっきりカウリスマキの映画を想起させます(影響関係、逆ですが)。って思ってたらロビーに貼られ…

『温泉みみず芸者』(鈴木則文/1971)

シネマヴェーラで。多湖(タコ)家(母・娘・娘)サイコー。超傑作ッ。スタンディングオーベイションですよォ(心の中で)。多湖家長女池玲子と板さんの恋愛は馬鹿馬鹿しくも、その実とても悲痛だ。板さんの部屋には戦闘機の模型が飛んでいる。板さんの肥大…

ここにも、あなーきー。

『ぐるりのこと』考

それが世界の縮図だったり近いミライを暗示する/提示するものとして「映画」があるならば『ぐるりのこと』はただ単に表面をなぞったようにしか見えないし安全すぎやしないだろうか。劇中にオウムやタクマが出てきてもそれは結果であって、それらを作り上げた…

NUJABES『modal soul classics』

modal soul classics by Nujabesアーティスト: オムニバス,Todd Rundgren,Heprcam,Clammbon,LAVA,Omar Sosa,Scott Matelic,Sleepwalker,Goldlix,Specifics,DSK出版社/メーカー: Hyde Out Productions発売日: 2008/06/06メディア: CD購入: 6人 クリック: 50回…

『キュスターヌ小母さんの昇天』(ライナー・W・ファスビンダー/1975)

ドイツ文化会館にて。『キュスターヌ小母さんの昇天』って不思議なタイトルは、なるほどそういうことだったのね。昇天って。”革命の戦士”の未亡人が巻き込まれる諸々。ブラックユーモアと純文学が渾然一体となったような笑えるラスト(場内笑いで包まれる)…

あなーきー・いん・じゃーまにー

『ぐるりのこと』(橋口亮輔/2008)

すごく評価が高いようだけど、ごめんなさい。受け入れられない。駄目でした。バブル崩壊〜タクマ判決まで、90年代から続くロストな風景を挿みつつってのはよく分かるのだけど、菊地さんの「乱世であります」の日記を受けて書くなら、08年、この乱世のサ…

『ローラ』(ライナー・W・ファスビンダー/1981)

『ローラ』は超スバラシイ。冒頭から主演女優の所作が魅惑的だなと感じていたのだけど時間の経過と共にその魅力もどんどん炸裂していく。彼女の裏の顔(娼婦/情婦)がバレてしまう場面。心を寄せる男性がショックのあまり去った後、まるで悲しみを振り切るよ…

『悪魔のやから』(ライナー・W・ファスビンダー/1975)

ドイツ文化会館にて。『マルタ』には間に合わず(涙)。。いきなりハイテンションにドアを蹴り上げるクルト・ラープに度肝をぬかれる。こちらの準備も整わない内にあれよあれよと展開される倒錯世界に唖然とする。「このメス豚め!」と女性に唾をかけながら…

N.E.R.D『Seeing Sound』

SEEING SOUNDSアーティスト: N.E.R.D出版社/メーカー: INTES発売日: 2008/06/06メディア: CD購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (31件) を見る待望の3rd。天才ファレル・ウィリアムスにはあんまロック方面に行ってほしくないのだけどN.E.…