『温泉みみず芸者』(鈴木則文/1971)

シネマヴェーラで。多湖(タコ)家(母・娘・娘)サイコー。超傑作ッ。スタンディングオーベイションですよォ(心の中で)。多湖家長女池玲子と板さんの恋愛は馬鹿馬鹿しくも、その実とても悲痛だ。板さんの部屋には戦闘機の模型が飛んでいる。板さんの肥大化した男性器(板さん曰く「戦争のせい」)は「太平洋」と呼ばれる芸者さんの女性器ですら受け入れることができない。つまり板さんの男根問題はそのまま世の問題に置き換えられる、という。兄弟(権力者=性的不能者)そろって腹上死(極楽死)させてしまう”天才”池玲子。特に船上での弟とのカラミは池玲子の表情がすごく艶っぽい上に船のスピードと相俟って「クラッシュ」な危険が。竿師段平とその弟子2名VS多湖家の3人による終盤のセックス3本勝負も激スバラシイ。池玲子と竿師段平の壮絶なるバトルのオチは見てのお楽しみ。ぶっ飛ぶよ。キュートな娘たちのファイトに感動しました。必見!


今週末からは「吉田喜重レトロスペクティブ」ですね。パリ、ポンピドゥー凱旋帰国。吉田喜重氏って半端ない映画作家だと思っています。『秋津温泉』『さらば夏の光』『女のみずうみ』『樹氷のよろめき』そして『エロス+虐殺』、あたり大好きですね。どれ見ても必ずぶっ飛ばされるショットがあるし。なによりカッコいいッ。『美の美』をすごく見たいのだけど日程が合わない。残念です。
http://www.cinemavera.com/schedule.html


で、『塀の中のプレイボール』も見たかったのだけど、青山に移動してファスビンダーへ。