『最後の抵抗(マキ)』(ラバ・アメール・ザイメッシュ/2008)


日仏学院にてフランス注目の若手作家ラバ・アメール・ザイメッシュを3本。各作品上映前に監督さんの御挨拶&最後に青山真治氏との対談あり。


『最後の抵抗(マキ)』はフランス本国でもまだ上映されていない(つい先日のカンヌで上映)という出来立てホヤホヤの作品。写真の通り”赤”が強烈なインパクトを与える。労働者たちの赤い作業着、山積みになった赤い運搬用パレット。支配する側とされる側の関係が興味深い。労働者たちのボス(演じるは監督本人!)は絶対的な権力者ではなく、労働者たちへのよりよい配慮(モスクの設立等)をも忘れない道義的な存在でありつつ、何か多大な期待をさせるような英雄でもない。善悪が判然する以前の透明な存在というべきか、青山さんが指摘するところの「無欲の観察者」。なかなか興味深い作品でした。