『何故R氏は発作的に人を殺したか』(ライナー・W・ファスビンダー/1970)

更に打って変わってカメラが役者の即興演技を捉える『狂気の愛』や『アウトワン』のリヴェット的な又はカサヴェテス的な作風。いや、嘘です。どっちもちょっと違う気はする。「発生時間」という点と「顔」という点において違う。ここでの「時間」は映画の経過と共に生気を失っていく、殺伐としたいやーな時間なのだ。この映画の登場人物はみんな自分のことしか話さない。で、タイトル通りの結末。今日の3本を見ている間、リヴェットの映画が脳裏に浮かんできたことは確か。『狂気の愛』について語るビュル・オジエも「当時リヴェットはファスビンダーやカサヴェテスを見ていた」と言ってたしで。


追記*そうそう今日のお客さんの入りは大フィーヴァーでした。3回連続立ち見状態。ドイツ文化センターもかなり入ってたのだけど、これにはビビッた。次の回はじまる前に呑気にコーヒー飲んでたらあれよあれよの合間に行列が。これから行く人は早めに行った方がいいかもしれませぬ。