『ウェッシュ、ウェッシュ、何が起こっているの?』(ラバ・アメール・ザイメッシュ/2001)

『ウェッシュ、ウェッシュ』は監督が私財叩いて作り上げたデビュー作であり自主映画とのこと。先の2本と打って変わりフランス郊外不良少年たちが織り成すギャングスタ映画といった趣き。監督の黒人音楽への愛情が選曲にも表れていてオリジナルのHipHopに加えコルトレーン(何故か「ナイーマ」)やカーティス(「ゲットー・チルドレン」)も流れるという。所々刺激的な箇所(特に子供たちの動き)もあるのだけど、周りの不良少年たちに比べて主演(監督本人)の顔の育ちが如何にせよ良すぎるというか、浮いて見える。だけど「無欲の観察者」という文脈でとらえるのなら、それでいいのかもしれない。あと、犯罪劇なのに夜のロケが出てこないのが風変わり。あとラバ氏はカメラのティルト・アップ/ダウンが好きみたいで、これは3作共通。ティルト・アップ(これはクレーンだったかな?)が一番いいのは『最後の抵抗(マキ)』だと思います。


上映後のトーク青山真治氏の指摘はどれも鋭く、めちゃくちゃ面白かったです。感動したよ。すごいなー。あんな風に自作について指摘されたり褒められたりしたら嬉しくてしょうがないだろうね。そんなラバ氏の喜びが伝わってきて大満足でした。


さてこれからEUROスペイン対イタリアの大一番ですよ。もちろんスペイン応援で。ロシアは強かった。クロスの精度やバリエーション、プレスのかけ方まで。憎たらしいけど。狸爺が。アルシャービンっていい選手だね。