『戦争よさらば』(フランク・ボーゼージ/1932)

武器よさらば [DVD]

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引き続き家でフランク・ボーゼージ特集。この作品やダグラス・サークの作品を見るとメロドラマの天才はアクションの天才なのだなぁとツクヅク思う。アクションの天才ということは映画の天才ということなのだけど。『歴史は夜作られる』と同じくファーストカットから傑作の予感ギンギンというか作品の質を保障をしてくれる。面白い構図がたくさんあって、手前に女性の足&クーパーの顔+奥に窓という酒場のショット。ここで空爆が起こるのだけど、爆撃のタイミングとかその後の音と光の明滅だけでド迫力のアクションが展開されるとことかホント素晴らしいなと思う。女性の足はそのすぐ後のヒロイン(ヘレン・ヘイズ)との出会いの伏線にもなっているし。登場人物の視線に集中させる画の作り方がよい。クーパーが前線で負傷して病院に搬送される場面ではクーパーの完全主観なカメラに移行する。2人が病院で「結婚式」を挙げるシーンは泣ける。ここでも神父の視線が悲しげだ(絶妙な引きの画の挿入と視線の前面化)。恋人たちは病院のベッドで結婚式をあげ、病院のベッドで死別する。鐘の音。傑作ッ。