『あばずれ女』(ジャック・ドワイヨン/1978)

そして『あばずれ女』。ニコラ・フィリベールの『かつて、ノルマンディーで』に引用されてるのを見たときから、見たいッ!と強く思っていた。待望の出会い。今回の特集で一番楽しみにしてた作品です。少女映画の傑作。素晴らしいです。DVDで手元に置いておきたい。


20歳の青年が12歳の少女を監禁するというノルマンディー地方(田舎)で実際に起きた事件を元にした作品。青年がバイクで木の箱を引きずるのだけど(車輪付き)、その中に少女を隠して田園を駆け抜けるショットが本当に素敵だ。監禁するにはしたが全く暴力を振る気もないこの気弱な青年と少女との間にはある種の同志感覚が芽生え、それがファンタスティックないたずらとして展開される。物語の最後、少女が家に戻らなければならなくなったとき、青年に贈り物をするのだけど、そこに書かれたメッセージがまた泣ける。「I THINK OF YOU」。大傑作です。