『最後の切り札』(ジャック・ベッケル/1942)


ジャック・ベッケルの長編デビュー作。フレーム外からの銃声で始まる作品。これメチャクチャ楽しいです。サイコー。捜査一課の集団(この並びがまた素晴らしい。『エドワールとキャロリーヌ』(1951)のピアノの周りに集まる紳士淑女の並びが素晴らしいように)が一斉に振り向いたり、一斉に路上に伏せて銃を放ったり。暗闇の中を走る車やバイクのヘッドライト、銃で撃たれてパンクした車のヨタヨタ感(『現金に手を出すな』(1954)を用意?)、ゴンゾーならぬゴンザレス警部のオッチョコチョイ感まで、幸せの連続だわ。ライバルであるクラランスとモンテス。事件の解決へ向け正攻法で攻めるモンテスと危険な賭けをするクラランス。一件落着のあと、モンテスが最後に放つ台詞がまた粋じゃあないですか。


「モテるのは君だと分かってたから、騙されたフリをしたのさ!」


絶品!