『ふたりだけの舞台』(ジャック・ドワイヨン/1987)

先日のトークでドワイヨンは「自分は役者万歳なんだ」でも当然ながら「こちら側(撮影側)も怠惰でいてはならない」ということをしきりに言っていた。この『ふたりだけの舞台』という作品はタイトル通り「ふたりだけの映画」で、自虐的な痴話喧嘩/遊戯を永延と繰り返すジェーン・バーキンアラン・スーションしか出てこない完全役者主導の映画なのだけど、二人を撮るショットのヴァリエーションが半端ない(撮影は『ピューリタンの女』と同じくウィリアム・ルプシャンスキー。嗚呼、ルプシャンスキーの画面だなぁってすぐに分かりますよね)。ものスゴイいい場所(別荘)で撮ってるのは間違いないのだけど、この舞台を最大限に生かす創意工夫がどんなショットにも感じられ、役者の動かし方とか見てるだけで豊かな気分になります。かつて/現在、存在するかどうかも不確かな亡霊(彼女)への言及。贅沢な小品。