『若きウェルテル』(ジャック・ドワイヨン/1992)

『誰でもかまわない』と『若きウェルテル』の間には緩やかな地続きの繋がりがあるように思える。ひょっとするとガス・ヴァン・サントの作品(特に少年もの)が大好きという映画ファン層(いや、好きなんですけど)にもアッピールし得る現代的な趣き。カメラに透明感がある。少年と少女が並んで歩く横並びの移動ショットと、少年が少女を尾行する縦並び(少年の背中越し)の移動ショットが繰り返される。夜、自殺を図った親友の墓前で少年は泣く。せつないです。