『パリのナジャ』(エリック・ロメール/1964)


この魅惑的なタイトルを持つ映画をずっと見たかった。「ナジャ」は「ナジャ」でもアンドレ・ブルトンのそれとは関係ないみたいですが、、。しかしこれは非常に瑞々しい珠玉の短編。空に向かって伸びをするセシルカットの異邦人ナジャ(ジーン・セバーグというより『コレクションする女』のアイデの方が近いかな?)が、パリの街を走ったり、カフェで人物観察したりと、それだけなのだけどこのワクワクするよな躍動感ときたら。美術館での音遊びが楽しい。撮影はネストール・アルメンドロス、お見事!


もう一本、併映の『煙にまかれて』(サンドリーヌ・リナルディ)は全くピンとこなかったので何も書けない。まったく動こうとしない犬は可愛くて笑ったけどね。あんまりそれぞれのショットが有機的に絡み合っていないように見えた。前後に上映された作品を見て更にその思いを強くする。とりあえずキスの映画だったと言っておきます。