『Praejusios Dienos Atminimui』(シャルナス・バルタス/1990)

輸入DVDでリトアニア映画作家シャルナス・バルタスによる中篇・長編を見る。こちらはモノクロ作品。英語字幕付き。台詞なしですが。この一本だけで、又は最初の数ショットを見るだけでバルタスの才能は疑いようもない。霧の中の寒々とした風景、教会に行列をつくる人々、ゴミ山で何かを集める老人、操り人形を抱えたホームレス、群れをなすカモメの飛翔、そして再び雪原、、失われた街のドキュメンタリー。ふと老神父(!?)が教会の最上階で鍵盤を鳴らす。地上、広場では人々が一斉に上空を見上げ(ロングの俯瞰)演奏の開始を固唾を呑んで待っている、街全体に響き渡る音楽、ここで泣いてしまった。操り人形を抱えたホームレスが雪の中、壁に挿まれた狭い小道で白い息を吐きながら何するでもなく佇むショットにも。凍えるような祈りの作品です。スゴイぞ、シャルナス・バルタス