『サンフランシスコ殺人事件』(ジョセフ・H・ルイス/1945)

VHSでジョセフ・H・ルイス。当時アメリカで人気だった(らしい)ファルコンシリーズの一作で主演は2代目(?)ファルコンことトム・コンウェイ。これ話の展開が異様に早いというか省略されてるというか繋がってないというかなので、ひょっとして短縮版なのかな?と思いデータベースを当たってみたのですが、どうやら66分で正しいらしい。省略されてる時間を劇中の展開と想像力で埋めれば分からなくもないような話な気もしますが、ムムム、、。とはいえ夜の館(寝室へ上がる階段の美術が基本とはいえ、やはりよい)、子供と探偵ごっこをする一連のサスペンスと流麗なカメラワークは素晴らしい。夜の汽車(外景)から汽車内の黒人ウェイターへと繋ぐ冒頭にもハッとする。


短縮版といえば結構前にVHSで見た『生まれながらの殺し屋』(ロバート・ワイズ)もやはりそうだったらしい。たしかにあれでは殺し屋が単なるアホにしか見えないですもんね。しかしその単細胞な感じが妙に空洞的で個人的には面白かったのですが。ちなみに『生まれながらの殺し屋』についてはシャブロルが「題材の新しさに手法がついていってない」と発言しているそうです。それは同意。