『ロシュフォールの恋人たち』(ジャック・ドゥミ/1967)


世紀の3部作完結篇。『ローラ』と『シェルブールの雨傘』は、それぞれの行動が残酷な相関図を形作ってしまう擦れ違いの物語だったけど、前2作で擦れ違い、又、引裂かれることに耐え偲んできた恋人たちは『ロシュフォールの恋人たち』でついに幸福な出会いを果たす。ハジケルような色彩と音楽、そしてダンスの中で!受け止めきれないほどの多幸感の中で!座ってるのがシンドクて出来れば一緒に踊ってしまいたい気分にかられた。それは言い過ぎかもしれないけど、せめて「ブラボー!」とか歓声を上げながら見たいよね。帰り際、水兵さんのダンスを真似てる人がいて、その気持ちよく分かるよ、と思いました。この作品、トロンボーンの合図→「Chanson des jumelles」で既に半泣き。てことは最初っから最後まで泣きっぱなしってことですよ、、。ああ、まだ10代のときこれを体験していたら人生変わってたかもしれないねぇ。


劇場で売ってるプログラムはカトリーヌ・ドヌーヴによるこんな言葉で締められている。


シェルブールの雨傘』に出演して
映画が私にとっての情熱になりました。
 


あなたの情熱を映画に向かわせる人生にたった一度しかない体験がここにはあるかもしれない。そんな期待を胸に是非今回の上映に駆けつけて、このメクルメク色彩と音楽とダンスに熱狂しましょう!


・「双子姉妹の歌」のグッドカヴァー含む過去記事はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/maplecat-eve/20081016
菊地成孔氏による「ルグラン&ゴダール講義」の過去記事はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/maplecat-eve/20080730
今回この記事に付け加えるとしたら、ゴダールが『はなればなれに』でさり気なく「I will wait for you」を流したのはヌーベルヴァーグ的な連帯感というよりも、『シェルブールの雨傘』の大ヒットへの嫉妬心の方が強いのではないか?という菊地さんの説。
追記*タイミングよく本日の菊地さんの日記がルグラン話だったので以下に。
http://www.kikuchinaruyoshi.com/dernieres.php?n=090131232410

ルグラン自身が唄うルグランのカヴァーは大好きですね。ルグランって暑苦しい独特の声ですよね。ということで以下の名盤を紹介。これは神戸にあるディスクデシネというとんでもないレアものを扱う、しかし素晴らしくエヴァーグリーンなショップの初期コンピ(全部持ってます!)に入ってて知ったのが出会いでした。クリスチャン・ルグランも昨年国内盤が再発されましたよね。

L'ete 42

L'ete 42

Nul Ne Sait

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