『ワンダーラスト』(マドンナ/2008)


マドンナ監督作品。一部で後期フェリーニを思わせるだとか、わりと評判もよいらしいデビュー作。ここには「マドンナ」の歴史を語るに欠かせない記号がたくさん散りばめられている。ストリップ、写真集『SEX』、ガーリーツアー、一番新しめのとこでいうと、レオタード。主人公ユージン・ハッツの幼少時に虐待された過去の映像をオーバーラップで現在時制へと繋ぎ、それをライブステージの白バックの壁に投射するシーンが刺激的だ。バレエのレッスンを横移動でリズミカルに捉える挿入カットも、これがなかなかに侮れない。


デビュー作らしい瑞々しさは端々に感じられる。しかし、それにしても、ですよ。このダンスシーンをもっと全編に渡ってフル活用してくれたらよかったのに、、。堕天使ユージン・ハッツがカメラ目線で訴える妙に自信に溢れた格言よりも、ダンスシーン(バレエとストリップ)だけで格言以上の充分に説得力のある映画に成り得たのではないか?と惜しい気がしてならない。物語を小さく「等身大」で纏めないあたり、好感持てますけどね。


ところでストリップの場面でDJがマドンナの「エロティカ」からブリトニーの曲に繋ぐところは面白かった。ブリトニーのPV(昔)と同じく制服姿。そこからストリップ!まぁ姉御ですからね。とはいえブリトニーはマドンナのようなポップアイコンにはなれないと思いますが。。。以上、幼少時よりマドンナ支持者なので、ちょっとばかり加点法で書いてることをご容赦(嘘)。