『ローラ』(ジャック・ドゥミ/1961)


シネセゾンにてジャック・ドゥミ・セレクション。ポスター付き前売り券もなんとか購入。嬉しい!


『ローラ』は物語の構造自体、既に泣けるというか。まず、ひとつの街を舞台にしていて、劇中同じ路地が何度も出てくる。「初恋の思い出がいつまでも消えない」街の人々。踊り子ローラの物語/恋愛は彼女の会ったこともない街の娘へと受け継がれる。街の人々の相関図がね、既にポエジー。似たような失敗を繰り返して旋回ばかりしてしまうのが人生というやつなのでしょう。うんざりなほどに。そしてうっとりとするほどに。


7年間初恋の彼(アメリカ人)を待ち続けたローラの元に彼が戻って来る。キャバレーでは踊り子たちがさめざめと泣いている。ローラは彼と彼との間に出来た息子と共に街を去る。この街の住人は皆「何処か遠くに行きたい」と願っているのだ。そして今夜もキャバレーには新しい水兵さん(アメリカ兵)がやってくる。「さぁ、音楽よ!」と踊り子たちは踊りだす。とっても美しい生の讃歌、涙が止まらない、、。