『ブロークン・イングリッシュ』(ゾエ・カサヴェテス/2007)


ゾエ・カサヴェテス初監督作品。ニューヨークでジーナ・ローランズ、パリでベルナデット・ラフォン(!)といった目配せ。正直アラサー世代女子に送る云々〜みたいな予告編はちょっと萎えてしまうのですが、、。しかししかしパーカー・ポージーメルヴィル・プポー(どちらも凄くよい)が押し黙ってやさしく見詰め合う顔のアップは、この作家が映画の何を信じているかを半ば宗教告白のように示しているかのようで、ちょっと感動してしまったよ。しかし女性のポートレイト的な作品といえば今年だけでも興味深い作品が2つあった。パリの街をエゲツないまでの下ネタと”M”の文字を刻むことで永遠の反抗女児のように無邪気に描いてみせたジュリー・デルピーの『パリ、恋人たちの2日間』、そして何より一人の女性が大胆にも河へとダイブすることで彼女の手、足、その身体に一点突破のファンファーレを鳴らしてみせた、あの素晴らしい『女優』(ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ)である。ハッとするような瞬間も所々にあるこのゾエ・カサヴェテスの作品は、個人的にはソフィア・コッポラと共に応援していたい存在なのだけど、もう少し、いやもっと広く世界を、というのは求めすぎでしょうかね。


追記*劇中、The Pharcyde「Passin Me By」が流れていて嬉しくなってしまった。サンプリング元ネタはクインシー・ジョーンズ。Nightmare on Waxのやつ、とにかく好きで何度も聴いていました。この素敵なイントロ、懐かしいーー。