『生まれながらの殺し屋』(ロバート・ワイズ/1947)

家でRKO時代のロバート・ワイズを2本。これ素晴らしいです。愛と憎が体の内側から引き裂かれもはや打算が立っているのかどうか本人すら判然としないかのような役者陣、特にクレア・トレヴァーを中心に女優陣の演技がとてつもなく狂おしい。出てくる人、人が、みな背徳の香りに魅せられ、しかも背徳によって引き裂かれた人たちなのだよねー。どのショットがどうの、というよりも、役者の顔と予想外に突き出てしまう演技の間(叔母様の奇怪な笑いとか)、編集が絶妙な按配。砂丘の殺人もよい。非常にウェルメイドな印象を与えるお話の着地点まで、この映画好きだなー。