『愛された人』(アルノー・デプレシャン/2007)

上映40分前に日仏に着いたら『クリスマス・ストーリー』は既に完売。平日だからってナメてました。てかデプレシャン、なんでこんな人気あるんだろ?会場には黒沢清さんもいらっしゃいました。てことで、デプレシャンのドキュメンタリー作品のみを。


冒頭、無人と化した家のドアを開け、階段を昇っていく(人は出ず、音声のみ)幽霊の可視化にトライしたような場面、つまりいきなりフィクション、且ついきなりクライマックスのような始まり方。デプレシャンと彼の父親が残された写真や絵でしか語ることのできなくなってしまった彼の家族(御祖母さん)の歴史が詰まった場所へと赴き、そこを撮ることでまた新たな息吹を吹き込もうという、まるで喪を再構成するかのようなセンチメンタルな行為は嫌いではない。しかししかしシャンプティエのカメラや彼女の捉える写真と絵画もとても素晴らしいのだけど、映画としても内容としてもこちらの興味が最後まで続きませんでした。


アーシア・アルジェント+ギョーム・ドパルデューの『戦争について』(ベルトラン・ボネロ)見たかったよー。無念。