2010年ベスト 〜音楽編〜

1.WAR PAINT『The Fool』

The Fool [輸入盤CD] (RTRADCD580)

The Fool [輸入盤CD] (RTRADCD580)

Exquisite Corpse

Exquisite Corpse

個人的に下半期はずっとこればっか聴いてた。大人気のWAR PAINT。掴んだと思った瞬間にスルリと指の間を抜けていく不思議な音の粒子たち。高い技術による耽美な演奏や子音の吐息さえ残響にしてしまう彼女たちのコラース。TheXX以降のクールささえ纏いつつ、しかしこの音楽をどんな人に薦めたいか?と問われたなら、かつて”窓の外はすべて嘘”と思っていた全員と答えたい。前作も追って聴いてみたんだけど、彼女たちの世界が既に完成されていたことに驚いた。2枚ともマスターピース
2.Yoko Ono Plastic Ono Band『Between My Head & Sky』
ビトウィーン・マイ・ヘッド・アンド・ザ・スカイ

ビトウィーン・マイ・ヘッド・アンド・ザ・スカイ

早速今年の作品じゃないのだけど、これも聴きまくった。未だに聴いてる。1曲目から小山田くんのギターヤバすぎだし。オノ・ヨーコの特異なボーカリゼーションに合わせるところなんて、もうね!この作品をきっかけにオノ・ヨーコの旧作を集めだしたのでした。
3.Yuka Honda『Heart Chamber Phantoms』
Heart Chamber Phantoms

Heart Chamber Phantoms

チボ・マットのホンダユカさん。ジョン・ゾーンのレーベルからの3作目にして最高傑作。ホンダユカの音楽としか形容できない。擦れたホーンが入ってくる後半が特に。
4.Gold Panda『Luch Shiner』
Luch Shiner

Luch Shiner

フライング・ロータスの亜流たちによる「クレイジーなビートを競い合う」のに参加するのはご勘弁、と語る彼のメロディへの志向はたしかに初期のエイフェックス・ツインと通じるものがある。クレイジーだけどパーソナルなエレクトロミュージック。
5.Radian『Chimeric』
Chimeric

Chimeric

去年の暮れに欲しかった作品。超・超待望のラディアン新作。期待以上の作品だった。この鋭敏な音の響き。個人的に前作『Juxtaposition』は重要すぎる作品。
6.Emerals『Does It Look Like I'm Here』
Does It Look Like I'm Here?

Does It Look Like I'm Here?

2010年はエメラルズの年でした。
7.GASLAMPKILLER『悪魔の血が踊る』
8.QUANTIC『Caja Y Guacharacha』




















ミックスCDを2枚。前者はフライング・ロータスの盟友ガスランプキラーによる彼の雑多な趣味が過剰に凝縮されたような、なんでもありなミックス。後者はQUANTICのアルバム作品より圧倒的に好きなコロンビア、クンビアのレアな音源を集めたミックス。ストリート感のあるアコーディオンが躍らせてくれる。メチャクチャ素敵な作品です。
9.The Presents『The Way We Are

THE WAY WE ARE

THE WAY WE ARE

10.Rangers『Suburban Tours』

プレゼンツは話題になったのになんで去年聞き逃したかな〜と自分の怠惰さを猛省しています。1曲目の出音から既に素晴らしい。Rangersはこの極度に密室化されたやんわりサイケデリックなレイドバック音が本当に面白かった。音だけ聴いたらいつの時代の音か分からんよ。笑っちゃうくらい。チルウェイブ裏傑作と言われてるそうです。


以下ランダムに。

CROOKS & LOVERS

CROOKS & LOVERS

A Sufi & A Killer (WARPCD172)

A Sufi & A Killer (WARPCD172)

Causers of This

Causers of This

Anika

Anika

In Search of Stoney Jackson

In Search of Stoney Jackson

Slave Riot

Slave Riot

Nothing

Nothing

Waves

Waves

IRM

IRM

N.E.R.Dは1st以来の傑作。「The Man」のトラックにファレル・ウィリアムスの傑出した才能が。マッドリブは今年も熱かった。Anikaはポーティスヘッドのジェフ・バーロウのプロデュース作品。ポーティスヘッドは新作に取り掛かっているそうだ。楽しみすぎる。Tamarynはシューゲイズ・サウンドなんだけど、女性ボーカルの孤高性が際立っている。シャルロットは前作の方が個人的には好きだけど、これも大好きです。来日ライブ行ったよ。


さて、ホントは神聖かまってちゃんについて書こうと思ったんだ。彼らについての批評は野田努氏による見事な批評「120%の真実であり、しかし120%の真実ではない」(http://www.dommune.com/ele-king/features/article/001493/index-2.php)しか読んでないけど、リリースされた3枚ともマスターピースだと思ってる。「ビートルズもセックスピストルズも聴いたけど何がいいのか全然分かりません」って歌うことは、真の意味で「本道」なんだよ。ロックンロールの本当の意味の「本道」をしばらく忘れていた。それこそ”つまんね”大人じゃんか。あぶない、あぶない。だから感謝しなきゃならない。彼らの活動を見る限り、彼らは先人へのリスペクトを欠かさない。「いかれたBABY」ならぬ「いかれたNeet」の素晴らしさがそれを証明している。Youtubeのコメント欄に「シューゲイザーが鳴らされる必然」と書かれていたけど、素晴らしいコメントだと思った。この国でシューゲイザーが鳴らされる必然。その必然が分からないほど私の生活は暢気ではない。ライブ中に流れるニコ動のコメントに泣かされるなんて。彼らは久々に時代を撃ちぬいたね。絶対支持します。

つまんね

つまんね

みんな死ね

みんな死ね