『ダンボ』(ティム・バートン/2019)

パーフェクトフィルム!多幸感が全力疾走する絵巻のようなオープニングからティム・バートンが紡いでみせるのは、『私の20世紀』(イルディコー・エニェディ)ならぬ、『ティム・バートンの20世紀』だ。大陸の地図をオーバーラップさせながら汽車が前へ…

2018ベスト50枚 ~音楽編~

2018年のハイライトはHindsの素晴らしくキュートで楽しかった来日ライブ。今年の頭にオールガールズバンド(正確にはオール女性ボーカルバンド)の自作コンピを作ったのだけど、コンピを作る上のテーマは「仮説としての『Live Through This』の子供たち=コ…

2018年ベストシネマ

あけましておめでとうございます。2018年は個人的に変わらなきゃと思って、自分を変えてみることを試みた一年でした。新しい一歩を踏み出した&その準備をした一年。これをベースにどんどん自分を変えていけたらなと思います。さて、年間ベスト。一位に挙げ…

『犬ヶ島』(ウェス・アンダーソン/2018)

「友達にはなれないけど、大好きだ」(スポッツ) 『犬ヶ島』において、少年アタリとボディーガード犬スポッツ、そして新たな相棒犬チーフはいまにも泣き出しそうな瞳をスクリーンに何度も浮かべる。口笛による木霊が人と犬の交感(この木霊は開巻早々、劇中に…

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(ショーン・ベイカー/2017)

いったいどうやって撮ったんだ!?ロングショットが意外と多いのに、やけに密着感、親密感が残るのは、ギャー!とかイェー!とかウォー!とか、セレブレーション、カモン!よろしく、ハイテンションな子供たちを笑いながら見ている自分の視線がまるごとこの…

2017年 ベスト50枚 〜音楽編〜

2017のベストトラックはコーネリアス『夢の中で』。浮上するわけでも潜行するわけでもない幽体離脱の夢の弾け方。ヴァンパイア・ウィークエンドのBaioの「Sensitive Guy」は毎朝目覚めの1曲でした。ライブは最愛のバンドWarpaintに行けたこと。どれだけこの…

2017年ベストシネマ

新年あけましておめでとうございます。さて、2017年は松本俊夫特集上映のパンフレットに書かかせていただいたことがホントに幸せで、自分が書いたことは必ず自分に返ってくることを知る、その跳ね返りの繰り返しの中にいることが喜びでした。何よりそれこそ…

筒井武文『映像の発見=松本俊夫の時代』パンフレット

先週末よりイメージフォーラムで上映中の『松本俊夫 ロゴスとカオスのはざまで/映像の発見=松本俊夫の時代』のパンフレットに5作品の論考を寄稿させていただきました。素晴らしい作品はどの時代、どの年齢で見たって、その価値は普遍である。ということを…

『20センチュリー・ウーマン』(マイク・ミルズ/2016)

感傷的な気持ちに身を任せると 星の明かりが部屋に差し込んでくる あなたの愛に満ちたやさしさは まるで暗闇を照らす炎のよう 「In a Sentimental Mood」 スーパーマーケットの駐車場で燃え上がるフォード・ギャラクシー。少年ジェイミーが生まれたとき家ま…

『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』(パブロ・ラライン/2016)

『Jackie』 『ジャッキー』に寄せられた言葉で、ナタリー・ポートマンがインタビューで語った言葉に敵う批評はありえない。曰く、「聡明なジャクリーンは自分が記者に語る言葉がそのままアメリカの物語になることを知っていた」。そう、『ジャッキー』はジャ…

『ネオン・デーモン』(ニコラス・ウィンディング・レフン/2016)

『The Neon Demon』 『ネオン・デーモン』を撮るにあたって、カメラマンのナターシャ・ブライエ(あの美しいホセ・ルイス・ゲリン『シルビアのいる街で』を手がけた名カメラマンだ)はジェームズ・タレルの光を参考にしたという。『ネオン・デーモン』におけ…

『ノクターナル・アニマルズ』(トム・フォード/2016)

オールスターキャストによるトム・フォードの新作『ノクターナル・アニマルズ』は、恐怖を美の次元に引き上げた上で宙吊りにするノワール映画の傑作だ。『シングルマン』のコリン・ファースがトレードマークであるメガネをかけている間、どこかフェリーニ映…

2016年ベストシネマ

新年あけましておめでとうございます。さて、2016年ベスト。2016年は20本選ぶの楽勝だなと余裕こいていたら、むしろ削るのに苦労しました。ここ数年で一番映画を見れなかった一年でしたが、それでもとても充実したラインナップだったと思います。初めて正確…

2016年ベスト 50枚 〜音楽編〜

2016年はこの一枚こそ今年を代表する一枚!といえる圧倒的な一枚があったというより、全体的にどれも恐ろしく刺激的でハイレベルなポップミュージックに溢れていたと思う。いろんな方が言っていますが、いまポップミュージックはめちゃくちゃ面白いです。し…

2015年ベストシネマ

新年あけましておめでとうございます。さて、毎年恒例年間ベストシネマ。2015年は個人的に素敵な出会いと悲しい別れのあった年でした。人生というものは良くも悪くもホントに上手く出来ているのだなあ、と身を持って感じた一年でした。女性ファッション誌の…

2015年ベスト 50枚 〜音楽編〜

1.Kendrick Lamar『To Pimp a Butterfly』To Pimp a Butterflyアーティスト: Kendrick Lamar出版社/メーカー: Aftermath発売日: 2015/03/24メディア: CDこの商品を含むブログ (10件) を見る2015年の一番星は何といってもこのアルバム。ブラックミュージック…

「Soup.」11月号 さよならを纏う女優の5本

「Soup.」11月号に「さよならを纏う女優の5本」と題して、5本のセレクトとリード文&レビューを書かせていただきました。表紙は石原さとみちゃん。よろしければ是非。 さすが「Soup.」さん、おしゃれな記事に出来上がっていて嬉しいです。ライトな文章の…

『EDEN エデン』(ミア・ハンセン=ラヴ/2014)

『グッバイ・ファーストラブ』のラストで文字通り"少女3部作"に「さよなら」を告げたミア・ハンセン=ラヴの新作『エデン』は、「フレンチタッチの栄枯盛衰」という、より大きな物語を題材にしながら、その語り口をよりパーソナルに紡ぐことに成功した傑作…

2014年ベストシネマ

年が明けてからこの記事を読むという方には、新年明けましておめでとうございます。一年の終わりの日にこの記事を開いたという方には、よい新年が迎えられますようにと、一年の始まりと終わりのご挨拶。恒例の年間ベストシネマ。私的なことですが、今年は年…

2014年ベスト 50枚 〜音楽編〜

1.Warpaint『Warpaint』Warpaintアーティスト: Warpaint出版社/メーカー: Hostess Entertainment発売日: 2014/01/28メディア: CDこの商品を含むブログ (5件) を見るベスト・オブ・ベストは迷うことなくウォーペイントの新譜。待ちに待っていた今一番好きなバ…

『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』(スチュワート・マードック/2014)

ベル&セバスチャンのスチュワート・マードック初監督作品『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』は、ポップミュージックが一人の女の子の人生を救えるかどうか、という賭け、強い動機に支えられた映画だ。しかし、『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』を真に特別な映画…

[映画」『グランド・ブダペスト・ホテル』(ウェス・アンダーソン/2014)

Untitled (Pink Palace) -Joseph Cornell- 『ユリイカ』の”ウェス・アンダーソン特集”に掲載させていただいた「ディス・イズ・アワー・ランド!」(読んでくれた方々、感想くれた方々に心から感謝!)の続き、ということで、ウェス・アンダーソンとジョゼフ…

「ユリイカ ウェス・アンダーソン特集」

「ユリイカ」6月号”ウェス・アンダーソン特集”に「ディス・イズ・アワー・ランド!」と題した論考を掲載させていただきました(計8ページ)。『ムーンライズ・キングダム』のサム少年の叫びからウェス・アンダーソンの「マスタープラン」を紐解いていく作…

『ロング、クリア・ヴュー』(ミア・ワシコウスカ/2013)

ミア・ワシコウスカの初監督作品、短編『ロング、クリア・ヴュー』がすごくいい!ティム・バートン、ガス・ヴァン・サント、ジム・ジャームッシュの撮影の方法を直に経験してきた”若いながらも歴史あり”なミア・ワシコウスカが、とても見晴らしのいいクリア…

吉祥寺バウスシアターの閉館

横浜に住んでいた時は爆音映画祭に通うことは長い長い帰り道と合わせてどこかロックフェスに行くようなワクワク感と心地よい疲労感をともなう、ちょっとした旅だった。二年前に国分寺に引っ越してきてからは、吉祥寺バウスシアターは特別な”フェス気分”で向…

『はなればなれに』 練習中

ゴダール『はなればなれに』のマディソン・ダンスのリハーサル風景。”工事中”ならぬ”練習中”。一生懸命練習して本番に備えるのだ。リハーサル風景っていいよね。 いざ、本番! こちらは『ロシュフォールの恋人たち』のテーマ曲を練習するカトリーヌ・ドヌー…

『沈黙の世界で猫が泣く』への批評文

作品を公開してからのこの一週間、バタバタと、得がたい経験をさせてもらいました。いくつか批評・感想をいただいたことの嬉しさ。リツイートされることが、こんなに嬉しいことだったなんて!、まったく知らなかったことです。思わず、みんな、愛してる!っ…

『沈黙の世界で猫が泣く』

LOAD SHOWで拙作『沈黙の世界で猫が泣く』を配信公開させていただきました。入選は叶わなかったのですが、まあ、自分の作品というのは駄目な子でもかわいいものです(笑)。かなりの時間が経ってるから、そう言えるのかもしれません。編集しながら、う〜んう…

クロエ・グレース・モレッツ

クロエ・グレース・モレッツのファンタスティックな写真を見つけたのでご紹介。「インタビュー・マガジン」誌に掲載されたものですね。クロエ・モレッツの作品選びというのもまた面白いものがあって、個人的には来るべきドリュー・バリモア監督作品で再び組…

WARPAINT『WARPAINT』

Warpaintアーティスト: Warpaint出版社/メーカー: Hostess Entertainment発売日: 2014/01/28メディア: CDこの商品を含むブログ (5件) を見る 待望のウォーペイントの新譜を手に入れて感激の一日。現行のバンドでウォーペイントが一番好きなんです、、。どう…