「装苑」 ウェス・アンダーソン小特集

装苑 2022年1月号 装苑 2022年1月号 「装苑」さんにウェス・アンダーソン新作『フレンチ・ディスパッチ』評を寄稿させていただきました。偶然にもお隣のページに掲載されたアダム・ストックハウゼンのインタビューに出てくる固有名詞と自分の書いた原稿が重…

ティモシー・シャラメ論

Timothee Chalamet リアルサウンドさんにティモシー・シャラメ論「ティモシー・ステップ」を寄稿させていただきました。初の男性俳優!ティモシーについて書きたいなと思ったのは、今年のカンヌ国際映画祭でのアイドルぶりが決定打でした。時代に合った、ま…

レア・セドゥ論

Lea Seydoux realsound.jp リアルサウンドにレア・セドゥ論「セドゥ、レア・セドゥ」を寄稿させていただきました。レア・セドゥとの出会いは2009年のフランス映画祭で上映されたクリストフ・オノレ『美しいひと』に遡ります。とんでもない才能が現れた!と思…

『トムボーイ』評

Tomboy CINEMOREさんにセリーヌ・シアマ『トムボーイ』評、「まだ見ぬ人生への連帯」を寄稿させていただきました(告知忘れ)。奇跡的な距離感で撮られた大好きな作品です。 cinemore.jp セリーヌ・シアマの言葉がとても興味深かったので、以下にピックアッ…

『恐るべき子供たち』評

Les Enfants Terribles(1950) CINEMOREさんにジャン=ピエール・メルヴィル×ジャン・コクトー『恐るべき子供たち』評「鉱石の雪玉」を寄稿させていただきました。 cinemore.jp とても端整な作品なので、書きながら心が整っていく不思議な気持ちになりました…

小松菜奈論

Moonlight Shadow(2021) realsound.jp リアルサウンドさんに小松菜奈論「レンズの向こう側へ 神秘性への自己批評」を寄稿させていただきました。 このシリーズが始まってから、日本人で書くなら小松菜奈さんで書いてみたいなと最初に浮かんできた方なので…

マーゴット・ロビー論

The Suicide Squad リアルサウンドにマーゴット・ロビー論「ハーレイ・クインのマニフェスト あるいはアンダードッグ上等」を寄稿させていただきました。 realsound.jp タイトルを最初に決めて書きました。このタイトル自分では気に入ってます笑。 「アンダ…

エミリー・ブラント論、アウトロ

Emily Blunt realsound.jp エミリー・ブラント論「走りながら考える女」のアウトロ(自分用のメモ的なもの)。主にエミリー・ブラントの発言。 【吃音の経験】 「私の吃音は、6~7歳頃から本格的になり、だんだんと難しくなってきて、11~12歳頃にはかなり定…

女優≠作家論「エミリー・ブラント」

My Summer of Love リアルサウンドさんにエミリー・ブラント論「走りながら考える女」を寄稿させていただきました。 『ジャングル・クルーズ』には、吃音に悩まされていた少女時代のエミリー・ブラントが、他人の声を演じることによって自身を発見していった…

小松菜奈

ムーンライト・シャドウ 本日は『ムーンライト・シャドウ』、試写。短文の感想を。 小松菜奈の所作をどこまでも追いかける作品は、誰かがやるべきだと思っていたので、待望ともいえる。小松菜奈には「この子を撮れば映画になる!」という神秘がある。『ムー…

『ゴーストワールド』論 アウトロ

Ghost World CINEMOREさんへの記事のアウトロ。 cinemore.jp ソーラ・バーチの言葉。 「今にして思えば、とても親しみやすいものでも、将来の成功につながるものでもありませんでした、、、。しかし、(『ゴーストワールド』のイーニドは)私が感じていたこ…

『フィッシュマンズ』

立川シネマシティ極音上映で、『フィッシュマンズ』。 佐藤伸治が亡くなった日のことを、よく覚えている。スペースシャワーTVで字幕速報で流れてきて、その日は一日中「ゆらめき In The Air」のPVが流れていた。 「ゆらめき In The Air」を新宿タワレコの試…

ジャック・リヴェットの秘密

ジャック・リヴェットのインタビューを読んでいて、興味深かったところを少しだけ抜粋。ラース・フォン・トリアーに秘密がないかどうかはともかく(少なからず彼に秘密はあるのではないかと思っています)、全てが説明書に書いてある映画は面白くないという…

CINEMORE映画評

Ghost World 「SNSは強引に引き合わせてしまった」という言葉について、しばらく考えている。SNSくらい好きなこと言わせてくれよという意見は正しいけど、自分はそういう風に付き合いたくない。あまりにも手軽すぎる。あまりにも暴力的すぎる。そんな風に感…

女優≠作家論(2020年)

2020年にリアルサウンドに寄稿させていただいた記事をここにまとめておきます。まとめるついでにオリジナルのタイトルを付けました。 シャーリーズ・セロン論「破壊せよ、とセロンは言った」 realsound.jp フローレンス・ピュー論「光の行方」 realsound.jp …

2020年ベストシネマ

あけましておめでとうございます。若干、機を逸してしまった感あるけど、振り返りの記録としての年間ベストシネマ。2020年は「女優≠作家論」をテーマに、ジュリエット・ビノシュ論、シアーシャ・ローナン論をキネマ旬報に。シャーリーズ・セロン論、フローレ…

二階堂ふみ論「君、かなた」

リアルサウンドに二階堂ふみ論「君、かなた」がアップされました。 realsound.jp 二階堂ふみさんは、まだフォロワー数がいまの1/10以下だった頃からフォローをいただいていて、いつか何かしらの形で恩返しをしたいと強く思っていました(ふみちゃんはツイッ…

『On The Rocks』(Sofia Coppola/2020)

*[映画]『オン・ザ・ロック』(ソフィア・コッポラ/2020) あまりにも簡単に恋に落ちてしまう あまりにもすぐ、恋に落ちてしまう もっと学ぶべきかもしれない 痛い目にだってあっているのだから それでもあまりにも簡単に恋に落ちてしまう あまりにもすぐ、…

2019年ベスト50枚 ~音楽編~

2019年はまさかのヴィヴィアン・ガールズ再結成が感無量すぎた、、。大傑作の新譜までリリースされた。生きていればいいことがあるものです。以下に2019年愛聴盤リスト。半分以上がガールズバンド、もしくは女性ボーカルなのは個人の趣味ではあるのだけど、…

2019年ベストシネマ

みなさま、よいお年を。年が明けて読んでくださる方には、新年あけましておめでとうございます。昨年は幸運にも敬愛するクレール・ドゥニ監督にインタビューする機会に恵まれたのと、ジュリエット・ビノシュについて書かせていただく仕事をいただいたことが…

My 100 Best Films of The 2010s (1-10)

2010年代、私の100本。当然まだまだ自分が発見できていない、名前すら聞いたことのない作品だっていっぱいあると思う。なので10年後に考えたら、また違うリストになるかもしれない。でも節目として残しておきたかった。ここに網羅したリスト100本はすべて好…

My 100 Best Films of The 2010s (11-20)

11.『ザ・マスター』/ポール・トーマス・アンダーソン(2012) The Master / Paul Thomas Anderson (2012) 偉大な建築物のような映画であり、同時にとてもパーソナルな映画のようでもある。PTAの最高到達点。 12.『ハイ・ライフ』/クレール・ドゥニ(2018) …

My 100 Best Films of The 2010s (21-30)

21.『バンコクナイツ』/富田克也(2016) Bangkok Nites / Katsuya Tomita (2016) 素晴らしい映画は下手な旅をするより、ずっと深い旅をした気分になれるとは友人の名言ですが、この作品は1週間くらい旅をしていた気分になれる映画です。「バンコク・・・shit…

My 100 Best Films of The 2010s (31-40)

31.『永遠の僕たち』/ガス・ヴァン・サント(2011) Restless / Gus Van Sant (2011) ミア・ワシコウスカとヘンリー・ホッパー。この二人の出会いこそがこの美しい作品の最大の功績。ヘンリー・ホッパーのラストスマイルはこの映画を愛する全員の心に永遠に…

My 100 Best Films of The 2010s (41-50)

41.『キャロル』/トッド・ヘインズ(2015) Carol / Todd Haynes(2015) 誰かを見つめていたいという気持ちや、誰かに心を奪われたり、うっとりするということは、夢の中にいる状態のことではなく、むしろ最も目が覚めた状態のことなのだな。素晴らしい! 4…

My 100 Best Films of The 2010s (51-60)

51.『マーサ、あるいはマーシー・メイ』/ショーン・ダーキン(2011) Martha Marcy May Marlene / Sean Durkin (2011) 昨日の私たちからどれだけ遠いのか?その残酷な画面の余白に自分がいることを発見するとき、『マーサ、あるいはマーシー・メイ』は、作品…

My 100 Best Films of The 2010s (61-70)

61.『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』/クエンティン・タランティーノ(2019) Once upon a time in Hollywood / Quentin Tarantino (2019) タランティーノが映画へ向けるロマンチックな愛憎や破壊願望がこの上ない幸せな形で昇華された。天国…

My 100 Best Films of The 2010s (71-80)

71.『ネオン・デーモン』/ニコラス・ウィンディング・レフン(2016) The Neon Demon / NicolasWinding Refn (2016) 美のバージョンアップ。美のメタモルフォーゼ。美しい生にも美しい死にもなれなかった女の子たちへの無言の切り返しショット。詳しくは過去…

My 100 Best Films of The 2010s (81-90)

81.『婚約者の友人』/フランソワ・オゾン(2016) Frantz / Francois Ozon (2016) 過ぎ去った恋を彼女は夢見る。過ぎ去った旋律を彼女は追いかける。映画の一番キレイな線が重なっていく瞬間がいくつもある。ピエール・ニネという突き抜けた美男子を突き抜け…

My 100 Best Films of The 2010s (91-100)

91.『パターソン』/ジム・ジャームッシュ(2016) Paterson / Jim Jarmusch (2016)朗読者としてのアダム・ドライバーの声の美しさに惚れ惚れする。引用される『獣人島』の原題は『Island of Lost Souls』。これほどジム・ジャームッシュの映画に相応しい言葉も…