2015年ベスト 50枚 〜音楽編〜


1.Kendrick Lamar『To Pimp a Butterfly』

To Pimp a Butterfly

To Pimp a Butterfly

2015年の一番星は何といってもこのアルバム。ブラックミュージックの歴史を27歳の若者が全て背負った上で、リプレゼンしてしまった。10年に1枚クラスの金字塔。


2.Blur『The Magic Whip』

The Magic Whip

The Magic Whip

2015年のブラーとして提示できることを、大人になった才能で料理してみせた感動の大傑作。「New World Tower」のギターアレンジの哀愁、憂鬱。大人になることは本当に素敵だな。


3.Neon Indian『VEGA intl. Night School』

Vega Intl. Night School

Vega Intl. Night School

マーヴィン・ゲイのスピリチュアルなグルーヴさえ身に纏ったネオン・インディアン会心のアルバム。ブラックミュージックへの憧憬が素晴らしいね。チルウェーブ括りの人ではないことは初めから分かっていた。


4.Prince『Hitnrun Phase One&Two』

Hitnrun Phase One

Hitnrun Phase One


プリンス、全盛期なんじゃないかってくらいアイディア豊富な2枚。西寺郷太『プリンス論』をつまみにするとより味わいが。西寺氏の、『ウィー・アー・ザ・ワールドの呪い』はホント名著です。


5.Janet Jackson『Unbrekable』

Unbreakable

Unbreakable

ジャネット・ジャクソン会心のアルバム。ネオソウル・サイドのジャネットのタイム感が大好きな身としてはたまらない作品。たまにマイケルの声魂が憑依したかのように聴こえる。ジャネットに心からの祝福を!


6.Bilal『In Another Life』

In Another Life

In Another Life

一曲目の、あっJAY-Zのあれだ!なベースラインで黒いリズムの虜になるビラルの傑作。ディアンジェロの復活から続くブラックミュージック・ルネッサンス!の一枚として聴いた。


7.Vince Staples『Summertime´06』

Summertime '06

Summertime '06

ケンドリック・ラマーの新譜と裏表として聴いていた大傑作。昨年のEPで聴けた戦前ブルースの呪いのようなトラックとは全く違う展開だけど、底にある魂は全く同じものを感じる。


8.Ducktails『St. Catherine』

St. Catherine

St. Catherine

2015年、一番透き通ったアルバム。調和という言葉を思い出す。アルバムを通して何かひとつの到達点を目指す迷いのなさ。美しいギターの音の一音一音が祈りのような境地へ向かって紡がれている。私たちの空気との調和。


9.Yumi Zouma『EP 1 & EP2』

EP 1&EP 2

EP 1&EP 2

若者的音楽、2015年の一番星。「Song for Zoe & Gwen」は今年の私的ベストトラック。何かに祈るような、すがる様な気持ちで何度も聴いたさ。素晴らしい!


10.Deerhunter『Fading Frontier』

Fading Frontier [輸入盤CD] (CAD3521CD)

Fading Frontier [輸入盤CD] (CAD3521CD)

ディアハンターの音楽はその現代性と並行するように、どんどん現代のブルースとして響くようになってきている。マスターピース


11.Simi Lab『Page2: Mind Over Matter』

Page2:Mind Over Matter 【通常盤】

Page2:Mind Over Matter 【通常盤】

2014年のアルバムだけど、聴き逃していたので。ワン・ポイント、ワン・ライフ、ワン・ミュージック!DCPRGのライブで初体験だったシミ・ラボのタイム感。トラック、刺激的すぎ。


12.Sunny Day in Glasgow『Planning Weed Like It´s Acid/Life is Loss』

Planning Weed Like It's Acid /

Planning Weed Like It's Acid /

シュゲイザー meets ブラックミュージックの、びっくり展開な新譜。大成功だね。


13.Speedy Ortiz『Foil Deer』

Foil Deer

Foil Deer

前作ほどの評価を得れたのかよく分からないけど、断然支持ですね。変異に重なり合うギターとボーカルにポップミュージックとしての洗練が加わった。つまりは最強のオルタナティブロック。


14.Grimes『Art Angels』

Art Angels [輸入盤CD] (CAD3535CD)

Art Angels [輸入盤CD] (CAD3535CD)

各所で大絶賛のグライムスの新譜。


15.Empress Of『Me』

Me

Me

一曲目のアレンジから新しい風が吹く。キラーチューン「How do you do it」の音に踊らせるアレンジの秀逸さ!


16.Cass Mccombs『A Folk Set Apart』

A Folk Set Apart

A Folk Set Apart

あの消え入るような美しい傑作アルバムとは対照的に荒々しく始まる極上インディポップ。シンガーソングライターとして才能の塊だね。


17.Kisses『Rest in Paradise』

REST IN PARADISE

REST IN PARADISE

ダンスミュージックに思いっきり舵を取った傑作アルバム。ハウスミュージック!粘るベースライン!オー、イエス。今年は『EDEN』の年だ。


18.Thee Oh Sees『Mutilator Defeated at Last』

Mutilator Defeated at..

Mutilator Defeated at..

現代最高のロックンロールバンド、シー・オー・シーズの問答無用の最高傑作。


19.Mark Ronson『Uptown Special』

UPTOWN SPECIAL

UPTOWN SPECIAL

大ヒット曲「アップタウン・ファンク」のPVは編集のアクション繋ぎが気持ちよすぎて、繰り返し見てしまう。


20.Innocence Mission『Hello I Feel The Same』

Hello I Feel the Same

Hello I Feel the Same

久々のアルバム。アルバムタイトルの通り、"私と同じ感覚"を探して、はじめまして、こんにちはを伝える、ポップミュージック極上の旅。


21.Girl Band『Holding Hands With Jamie』

Holding Hands With Jamie

Holding Hands With Jamie

単純に音の響きがどれだけ強烈なインパクトを人に与えるか、という原初的なことを思い出させてくれるのがガールバンドの強みだと思う。2015年、最高のロックンロールバンド。


22.Lion Babe『Lion Babe』

2015年のR&B一番星。来年発売のフルアルバムが楽しみすぎる。ソランジュの傑作EPの流れで聴ける。


23.Fuzz『Ⅱ』 & Ty Segall『Ty REX』

II

II

Ty Rex

Ty Rex

例によって多作すぎるTy君の新譜2枚はどちらも最高傑作を更新。T-REXのカヴァー集はTy君が現代最高のロックンロール・ギタリストだということを証明している。強烈サイケギター!


24.Tuxedo『Tuxedo』

Tuxedo

Tuxedo

サマソニのフルバンドでのライブも楽しかったタキシード。ライブはアンセムを聴くような楽しさに溢れていた。みんな歌詞覚えて来てることに驚いたね。


25.Hot Chip『Why Make Sense?』

ホワイ・メイク・センス?(デラックス・エディション)(完全生産限定盤)

ホワイ・メイク・センス?(デラックス・エディション)(完全生産限定盤)

ホット・チップの新譜は、よりディスコミュージックの黒い部分に近づいていく素晴らしいアルバム。


26.Soko『My Dreams Dictate My Reality』

My Dreams Dictate My Reality

My Dreams Dictate My Reality

ソコ・ザ・キャット!女優としてレア・セドゥとも共演経験があるソコの新譜はアリエル・ピンクとのデュエットも楽しい傑作。


27.Dornik『Dornik』

Dornik

Dornik

マイケル・ジャクソンの〜という宣伝文句はあまりに荷が重すぎる気がするけど、マイケル・ジャクソンクインシー・ジョーンズの仕事を彼の解釈で血肉化してみせたこの作品のロック・ウィズ・ユーぶりはとても愛しい。


28.Mikal Cronin『Ⅲ』

MCIII

MCIII

イカル・クローニンはファーストがぶっちぎりだという意見は変わらないけど、このアルバムのハーモニーは素晴らしい。前作よりずっと好きです。


29.Lower Dens『Escape From Evil』

Escape from Evil

Escape from Evil

絶妙なタイミングで入ってくるキラキラシンセ、キラキラギターが最高の新譜。「To Die in LA.」を繰り返し聴いた。


30.The Birds and The Bee『Recreatinal Love』

Recreational Love

Recreational Love

いつの間にか中堅どころとしてのクオリティの高さや安定感と捉えられてるような気がするけど、素晴らしいものは素晴らしい。現代版ブルー・アイド・ソウルの更なる進化に舌を巻く。


31.Earl Sweatshirt『I Don´t Like Shit,I Don´t Go』

I Don't Like Shit, I Don't Go

I Don't Like Shit, I Don't Go

ダウンテンポの中に、抑揚の少ないラップの中に、とても荒々しい感情の起伏を感じるのだから不思議。本来ブルースとはこういうものかもしれない。


32.Vetiver『Complete Strangers』

Complete Strangers

Complete Strangers

2015年の極上のサウダージはこのアルバム。夏の終わりを飾る最高のアルバムだったね。


33.Monochrome Set『Access All Areas』

Access All Areas

Access All Areas

懐疑的になる隙を一切与えないベテランの鋭利な魂に拍手。


34.Sleater-Kinney『No Cities to Love』

No Cities to Love

No Cities to Love

スリーター・キニーは近年振り返ることがとても多くて、特に前作の極太なサイケぶりは再評価というより、初めて作品に触れるような新鮮な感覚で聴き直していた。その矢先の復活アルバム。姉さんたちの懐の深さを聴けば聴くほど味わえる。大ファンを公言するエレン・ペイジがPVに出ていたね。


35.The Internet『Ego Death』

Ego Death

Ego Death

ブラックミュージック版ステレオラブことザ・インターネットの新譜。来日公演楽しみ。


36.Ibeyi『Ibeyi』

Ibeyi

Ibeyi

イベイー姉妹のデビュー作はゴスペルがうっすら乗る「River」がお気に入り。アルバム全体がレクイエムのようなモノトーンのスピリチュアル性に包まれている。


37.Nao『February 15 EP』

February 15 Ep [12 inch Analog]

February 15 Ep [12 inch Analog]

ライオン・ベイブと共に2015年の極上R&B一番星。ここでもシンセの音がキュンキュンくる。


38.Seapony『A Vision

A VISION

A VISION

惜しくも解散してしまったシーポニーのラストアルバム。流れるようなギターの繊細な響きに胸がギュッと締めつけられる。シーポニーもイメージとして夏の終わりのバンドだったな。愛してます!


39.Toro y Moi『What For?』

What For?

What For?

現代版ソフトロックをやり始めたあたりからトロイ・モアには複雑な気持ちがあったのだけど、この新譜のドゥービーブラザーズばりのソウル感には文句なくノレた。ミックステープもよかったね。


40.Warpaint『No Way Out』

2014年の個人的ベストだったウォーペイントの新作EP。このガールズバンドが現代最高のバンドだということをつくづく教えてくれるタイトル曲に尽きる!


41.Fleur East『Love,Sax & Flashbacks

Love, Sax & Flashbacks

Love, Sax & Flashbacks

大ヒット曲をその年の内にカヴァーするって、昔のモータウンみたいで素敵だ。ジャケットの色彩も素晴らしい。


42.Hop Along『Painted Shut』

Painted Shut (import)

Painted Shut (import)

90年代リバイバルというのはどうでもよくて、Hop Alongが聴かせるのは極上のインディポップの佇まいと、極上のインディポップとしての楽曲、女子ボーカルの突き抜け方。


43.Passion Pit『Kindred』

KINDRED

KINDRED

サマソニのキャンセルが残念でならないパッションピットのクラップしながらステップ踏み踏みしたくなるキラキラ・ポップミュージック集。過小評価されてる気がする。


44.Unknown Mortal Orchestra『Multi-Love』

Multi-Love (colored vinyl) [Analog]

Multi-Love (colored vinyl) [Analog]

メトロノミーの新譜かと見紛う一曲目のキラキラ感に始まる、ちょっと地味に聴こえてしまうくらい懐の深い広義のダンスミュージックへの憧憬の旅。味わい深い。


45.Beach House『Depression Cherry』

Depression Cherry

Depression Cherry

何処か遠くへ行きたいときの極上ベッドタイム・ミュージックは、より夜の感覚を際立たせている。永遠に帰ってこれない気さえする傑作アルバム。


46.Lebanon Hanover『Besides The Abyss』

Besides the Abyss -Digi-

Besides the Abyss -Digi-

ひんやりを超えて極寒のシンセ・ゴシック・ポップ、新作。


47.Jenny Hval『Apocalypse,Girl』

Apocalypse, Girl

Apocalypse, Girl

ジャケットやタイトルの時点で、既に素晴らしい。気まぐれな妖精のように自由な音楽。


48.EL VY『Return to the Moon』

Return to the Moon

Return to the Moon

レコード屋に勤めていたとき、「ザ・ナショナルこそREMの後継者だ」と言っていた素敵な上司の言葉を完璧に裏付ける、ザ・ナショナルのマット・バーニンガーによる新プロジェクト。


49.Belle and Sebastian『Girls in Peacetime Want to Dance』

Girls In Peacetime Want To Dance

Girls In Peacetime Want To Dance

『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』公開にともなうベルセバ・フィーバー、最高だった。クアトロでの爆音『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』には感涙。ホステスのライブで、ああ、この人があの素晴らしい映画を作ったんだって、納得。


50.Natalie Prass『Natalie Prass』

Natalie Prass

Natalie Prass

最高の技術が集結するスタジオレコーディングの黄金時代を思わせるポップミュージックのアレンジが、ノスタルジーの更新に成功している。




ライブは念願のファレル・ウィリアムスに尽きる!楽しくて楽しくて死んでしまうかと思うくらい踊ってしまった。そりゃあ、ファレル、モテるわけだよ(笑)。以上、駆け足になってしまったけど、2015年は豊作極まりない一年でした。おそらく今ってポップミュージックのルネッサンスです。この楽しいポップミュージックの時代を聴き逃すわけにはいかない!


GIRL IN A BAND キム・ゴードン自伝

GIRL IN A BAND キム・ゴードン自伝