作業日誌

Go Happy, Barbie!!

朝一で楽しみにしていたグレタ・ガーウィグ『バービー』の試写でした。 マーゴット・ロビーは言うまでもなく、ライアン・ゴズリングが現代最高の俳優の一人だと改めて再認識。待っていたよ、君のことを。 あんなに美しいミュージカルシーン、久々に見たかも…

Kingdom Exodus

ラース・フォン・トリアー『キングダム エクソダス〈脱出〉』試写。 ラース・フォン・トリアーは好きと嫌いが二周くらい回って、でもやっぱり見るべき映画作家だよなという認識で、ここ数年は固まっています。『イディオッツ』が好きですね(たしかゴダール…

Munkey Diaries by Jane Birkin

もしTwitterがあれになったとしても、ブログがあるじゃないかという再認識。 ジェーン・バーキンの日記は上下巻あって、映画作家との関係でいえば下巻の方にアニエス・ヴァルダやジャック・リヴェット、そしてもちろんジャック・ドワイヨンとのことが記して…

『スペンサー ダイアナの決意/SPENCER』

パブロ・ラライン『スペンサー ダイアナの決意』試写。クリステン・スチュワート最高。パブロ・ララインは作品によって好き嫌いが大きい映画作家なので、ちょっと躊躇してしまって公開前ギリギリになってしまった。迷うことなく一番好きな作品です。アーカイ…

Sophisticated Boom Boom

音楽のスピードって前からこんなに早かったっけ?と、一枚一枚と向き合う時間がまったくないよ、、!思い始めてから早数年。毎週金曜発の新譜は一応そこそこにチェックしてはいるけど、圧倒的に聴き込みが足りない。なので遅れてもよいから一年前とか、ちょ…

女はそれを我慢できない

フランク・タシュリン『女はそれを我慢できない』(Girl Can't Help It)。ビートルズが影響を受けたというロックンロールに関する映画。久々に聴いたジュリー・ロンドンの歌声が溜息が出るほど悲しくて、リピートしている。

微笑むブーデ夫人/Le Souriante Madame Beudet

ジェルメーヌ・デュラック『微笑むブーデ夫人』。サイレント期のフェミニズム映画。最近のセリーヌ・シアマは、アリス・ギイやデュラックから多くを学んでいるらしい。『秘密の森の、その向こう』にも確かにそのイメージが引用みたいな分かりやすい形ではな…

『ロザリンとライオン』

ジャン=ジャック・ベネックス『ロザリンとライオン』のディレクターズ・カット。初見なのだけど、こちらしか手に入らず。素晴らしい。傑作だと思います。 ベネックスの作品を再見も含め全部見ました(いくつかのドキュメンタリー除く)。『ディーバ』の前に…

『コンクリート作戦』『コケティッシュな女』

ゴダールの初期短編を年代順に二本。このままゴダール全作いきましょうか。『コンクリート作戦』は、ゴダールがフィクション作品ではなく、人物を撮るわけでもなく、ここから始まったということが最も重要なことだと思う。映画のスペクタクルに溢れている。…

『ケイコ 目を澄ませて』

三宅唱監督『ケイコ 目を澄ませて』試写。素晴らしかった!試写室出て、三宅監督におめでとうございます!って言いたかったです(探したけど既に不在でした。残念!)。ステップ、そしてさらに美しいステップへ。前からですが、三宅監督はリズム感が抜群です…

『溝の中の月』

ジャン=ジャック・ベネックス『溝の中の月』。『ディーバ』が低予算で撮られたとか驚きでしかないけど、こちらは『ディーバ』の成功を受けてチネチッタで撮影されたという二作目。批評的にも興行的にも惨敗だったそうですが、この作品のことは好きです。ス…

R.I.P.アラン・タネール

Jonas qui aura 25 ans en l'an 2000 R.I.P.アラン・タネール...。

『ブルーバレンタイン』

Blue Valentine ミシェル・ウィリアムズのお誕生日!現代で一番好きな俳優の一人です。一番凄いと思ってるかも。というわけで以前CINEMOREさんに寄稿した『ブルーバレンタイン』評「恋人たちの刻印」。 cinemore.jp ライアン・ゴズリングの言葉を以下に抜粋…

ギヨーム・ブラックへの白紙委任状

Coupe à dix francs CINEMOREさんへの『みんなのヴァカンス』評を書く際、これまでにギヨーム・ブラックへの白紙委任状で上映された作品群も併せて見ました。あらためてホン・サンスはいろんな映画作家に霊感を与えているなと思う。エリック・ロメールの『友…

『悪魔の恋人』

Fear ジェームズ・フォーリー『悪魔の恋人』。こんな感じですかと油断していると、ジェットコースターのシーンの浮遊感に唸り、いきなりの暴力に震え、後半の怒涛の展開に刮目する。めちゃくちゃ面白かった!物語の薄さよりも映画の厚みが勝るというべきか。…

『バッド・ボーイズ』

Bad Boys 毎日ブログ更新チャレンジ、14日目!ショーン・ペン主演の『バッド・ボーイズ』。最近やけに80年代づいてるのは、配給会社ビーズ・インターナショナルさんの展開する80年代パンクムービー・シリーズに影響されています。他にはない面白い展開ですよ…

『リバース・エッジ』

River's Edge ティム・ハンター『リバース・エッジ』(「ズ」ではなく)。岡崎京子『リバーズ・エッジ』のインスピレーション元作品。久々の再見。昔見たときより、ずっと好きになった。傑作ですね。ダッチワイフを恋人にするデニス・ホッパーの感情が、前に…

『ディーバ』

DIVA ジャン=ジャック・ベネックス『ディーバ』。絶対に後悔のないように、やりたいこと全部詰めました!感が、狂おしい。こんな新人映画作家をリアルタイムで体験したらビビッてしまいます、、。「シネマ・デュ・ルック」は、レオス・カラックスによる「一…

『俺たちの明日』

Reckless ジェームズ・フォーリーの長編デビュー作品『俺たちの明日』。ハル・アシュビーのおかげで撮ることができた作品らしい。この作品のことは蓮實重彦の批評で知り、その後青山真治監督が言及していたので、ずっと気になっていた。エイダン・クインのデ…

アルタヴァスト・ペレシャン

Nature 『レオス・カラックス 映画を彷徨うひと』への『ポーラⅩ』論を書く際のリサーチで、昨年末はアルタヴァスト・ペレシャンとシャルナス・バルタスの映画をひたすら見ていました。『ポーラⅩ』について書く際、シャルナス・バルタスについては避けて通れ…

『マイ・ブロークン・マリコ』

My Broken Mariko タナダユキ『マイ・ブロークン・マリコ』試写。役を演じているというより、役を生きている永野芽郁を見ているだけで泣けた。この作品の永野芽郁の演技には漂白されていない生の輝きがある。彼女を見ているだけで価値がある。「キレイなあの…

『雨のなかの女』

The Rain People フランシス・フォード・コッポラの『雨のなかの女』を再見。紛れもなく映画作家の作品であることに驚かされる。バーバラ・ローデンの『WANDA/ワンダ』とも共振している。フェミニズム映画としても重要な作品。家を捨て、彷徨の旅に出るナタ…

パゾリーニ映画祭「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」

Sopralluoghi in Palestina per il Vangelo secondo Matteo 「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」で上映される未公開作品の試写を二本。ドキュメンタリー映画『「奇跡の丘」のためのパレスチナ訪問』とオムニバス作品『イタリア式奇想曲』。どちらも日…

『反逆のパンク・ロック』

Suburbia ペネロペ・スフィーリスの『反逆のパンク・ロック』が公開中。とても面白い作品。ハーモニー・コリンはこの映画のこと絶対好きだと思う!最初の方のえげつない親子喧嘩のシーンで、既に素晴らしい。キッズたちを追い払うために銃持ったおじさんが出…

『ジャンヌ・ディエルマン』とシャンタル・アケルマン

JEANNE DIELMAN 23 QUAI DU COMMERCE 1080 BRUXELLES シャンタル・アケルマン映画祭が盛り上がっているということで、キネマ旬報さんに執筆した『ジャンヌ・ディエルマン』評、告知記事の続きをサクッと。 maplecat-eve.hatenablog.com 『ジャンヌ・ディエル…

ウェス・アンダーソンとレオス・カラックス

Wes Anderson ウェス・アンダーソンのお誕生日!ということで、ウェス・アンダーソンがレオス・カラックス『汚れた血』について語った言葉を以下に。この言葉は、ウェス・アンダーソンへの白紙委任状で『汚れた血』が選ばれたときのもの。誰かが特定の映画に…

Tilda Swinton

Caravaggio 『MEMORIA メモリア』が素晴らしくて、ティルダ・スウィントンへの愛が止まらない。あるインタビューで、SNSをやらない理由を聞かれたティルダはこう答えました。 「たとえ庭のどこかが燃えていたとしても、私は薔薇(を育てること)に集中してい…

エミリー・ブラント論、アウトロ

Emily Blunt realsound.jp エミリー・ブラント論「走りながら考える女」のアウトロ(自分用のメモ的なもの)。主にエミリー・ブラントの発言。 【吃音の経験】 「私の吃音は、6~7歳頃から本格的になり、だんだんと難しくなってきて、11~12歳頃にはかなり定…

小松菜奈

ムーンライト・シャドウ 本日は『ムーンライト・シャドウ』、試写。短文の感想を。 小松菜奈の所作をどこまでも追いかける作品は、誰かがやるべきだと思っていたので、待望ともいえる。小松菜奈には「この子を撮れば映画になる!」という神秘がある。『ムー…

『ゴーストワールド』論 アウトロ

Ghost World CINEMOREさんへの記事のアウトロ。 cinemore.jp ソーラ・バーチの言葉。 「今にして思えば、とても親しみやすいものでも、将来の成功につながるものでもありませんでした、、、。しかし、(『ゴーストワールド』のイーニドは)私が感じていたこ…