アルタヴァスト・ペレシャン

Nature

レオス・カラックス 映画を彷徨うひと』への『ポーラⅩ』論を書く際のリサーチで、昨年末はアルタヴァスト・ペレシャンとシャルナス・バルタスの映画をひたすら見ていました。『ポーラⅩ』について書く際、シャルナス・バルタスについては避けて通れないのでともかく、アルタヴァスト・ペレシャンについては結局反映させることはしませんでした。とはいえ、IMDbに記載されているフィルモグラフィーは『Zvyozdnaya minuta』を除きすべて見ました。新作の『Nature』に至るまで、超ド級の強烈な作品群です。以下、レオス・カラックスがアルタヴァスト・ペレシャンについて語った言葉を少々。

「アルタヴァスト・ペレシャンのことを最初に教えてくれたのは、親友のジャン=イヴ・エスコフィエで、一緒に映画を作り始めた80年代初頭のことだった。ジャン=イヴはグルジアアルメニアか覚えていないがソ連への旅行から戻ったばかりで、『我ら』『我々の世紀』『住人』、そしておそらく最もレアな『四季』という彼の映画をいくつかVHSテープで持ち帰ってきた」(レオス・カラックス

 

「東の果てで、こんなにも濃密で目も眩むようなイメージを創り出す男は、いったい何者なのだ?ロダンのような彫刻や、火山、憑依した指揮者などをイメージしました」(レオス・カラックス

 

さすがジャン=イヴ。カラックスがペレシャンを発見した時期と被るので時期的に微妙ですが、『汚れた血』のパラシュートのイメージとか、もしかしたら影響を受けたのかもしれませんね。もしくはまったくの偶然が共鳴した美しい瞬間なのかも。どちらにしても素敵です。『ポーラⅩ』の血の海はペレシャンの映画を感じます。

 

『マーティン・エデン』のピエトロ・マルチェッロによるペレシャンのドキュメンタリー『ペレシャンの沈黙』も、とても面白かったです。新作『Nature』は傑作ですが、日本での上映はフラッシュバック警告が必要で、ちょっと難しいかもしれないなと思いました。震災のアーカイブ映像が使用されていて、日本のテレビ放映などでは自主規制されたようなショットの数々だったので、、。