レオス・カラックスとクレール・ドゥニ

つい先日までリスボンエストリル映画祭では「レオス・カラックス・レトロスペクティブ」が開かれていた。このプログラムにはカラックスが『ボーイ・ミーツ・ガール』以前、20歳のときに撮った短編『絞殺のブルース』に始まり、『ポーラX』のTV放映バージョン(未見。実際に見た方のお話によると2部構成なのだとか)まで、おそらく17歳のときに撮った『愛された娘』以外の長短編が網羅された形(カラックス×ゴルベワ初の作品『無題』や『My Last Minute』も含む。但しニュー・オーダーカーラ・ブルーニのPV、『Naked Eyes』がないけどね)だと思われる。さて、今回、ブログの記事にまで残しておきたいと強くと思ったわけは、リスボンエストリル映画祭では、このカラックス特集とは別に「カテリーナ・ゴルベワ追悼上映」が開かれていて、ここでクレール・ドゥニとカラックスが舞台挨拶をしているのだ。この2人のトークという時点で個人的には夢のような話なのだが、今回のこの映像(下記リンク先)はおそらくゴルベワの逝去後、初めてカラックスが公の場で語ったゴルベワ像だと思われる。クレール・ドゥニによるシャルナス・バルタスの話から始まり、途中言葉に詰まりながらも、携帯が鳴るハプニングもあり、最後はクレール・ドゥニとやわらかい表情で去っていくカラックス。サングラスの奥にある瞳の動きは窺い知ることはできない。だけど、言葉が分からなくたって見る価値のある映像は世の中にはたくさんある。私にとってはこれもそのひとつだ。


クレール・ドゥニレオス・カラックスの舞台挨拶。
http://videos.sapo.pt/aEZqVvqpnUwUr72Oqpp0
レオス・カラックス・レトロスペクティブのプログラム。
http://www.leffest.com/pt/seccoes/leos-carax


こちらはレオス・カラックス『My Last Minute』。