My 100 Best Films of The 2010s (61-70)

61.『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』/クエンティン・タランティーノ(2019)

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Once upon a time in Hollywood / Quentin Tarantino (2019)

 

タランティーノが映画へ向けるロマンチックな愛憎や破壊願望がこの上ない幸せな形で昇華された。天国は待ってくれるんだ!って思ったものです(涙)。

 

62.『パゾリーニ』/アベルフェラーラ(2014)

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Pasolini / Abel Ferrara(2014)

 

悲劇的な夜が、怪しさと共にどこか包み込むようやさしさに溢れているのは、この夜がパゾリーニの愛した夜だということが伝わってくるからなのだろう。夜が夜であることに感動する。素晴らしい。

 

63.『ファントム・スレッド』/ポール・トーマス・アンダーソン(2017)

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Phantom Thread / Paul Thomas Anderson (2017)

 

ゲーム=生活のルールを壊し、再生させる愛と毒は裏地に縫い込まれている。その裏地と常に一緒にいることを選んだ二人の狂おしさ。思い出を語る彼女の肖像的なショット自体が、衣装に刺繍された裏地なのだろう。

 

64.『女っ気なし』/ギョーム・ブラック(2011)

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Un Monde Sans Femme / Guillaume Brac (2011)

 

ジャック・ロジエの傑作『オルエットの方へ』の楽天的な精神を正しく継ぐもの。モノマネ合戦の無邪気な笑顔を思い出す度に泣けてくる。

 

65.『バスターズ』/クレール・ドゥニ(2013)

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Les Salauds / Clare Denis (2013)

 

クレール・ドゥニの映画ではいつも背中が美しい。闇夜に浮かぶヴァンサン・ランドンの背中。幻視的犯罪の夜。「海を越えて魂を死へ持って行ってほしい」。

 

66.『ゲスト』/ホセ・ルイス・ゲリン(2010)

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Guest / Jose Luis Guerin (2010)

 

冒頭で『ロシュフォールの恋人たち』の「双子姉妹の歌」が歌われるように、この作品は世界各地に散らばった「双子」を探しに行く旅の映画。ゲリン最高傑作の一本。

 

67.『孤独な天使たち』/ベルナルド・ベルトルッチ(2013)

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Io e te / Bernardo Bertolucci (2013)

 

ベルトルッチの遺作。The Cure「ボーイ・ドント・クライ」からのデヴィッド・ボウイ「スペース・オディティ」の反復による楽曲の流れに沿ったカメラワーク!

 

68.『サン・ローラン』/ベルトラン・ボネロ(2014)

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Saint Laurent / Bertrand Bonello (2014)

 

『サンローラン』には人物の色気とか香りが充満している。色気や香りがこれほどまでに豊かな陰影、グラデーションを生むのかと。甘美に遅延された生と死を繰り返しスクリーンで体感したい。「眠るため」にパリに来た。

 

69.『イット・フォローズ』/デヴィッド・ロバート・ミッチェル(2014)

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It Follows / David Robert Mitchell

 

不可視の恐怖を「見ろ!」と強要する。その暴力の凄まじさ。少女が指さす方にあるものを見たとき、この傑作がアメリカの映画、アメリカの恐怖と知る!

 

70.『Mercado de Futuros』メルセデスアルバレス(2011)

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Mercado de Futuros/Mercedes Álvarez (2011)

 

ホセ・ルイス・ゲリン『工事中』とジャック・タチが合わさったような作品。ここにも『プレイタイム』の子どもたちが!