My 100 Best Films of The 2010s (81-90)

81.『婚約者の友人』/フランソワ・オゾン(2016)

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 Frantz / Francois Ozon (2016)

 

過ぎ去った恋を彼女は夢見る。過ぎ去った旋律を彼女は追いかける。映画の一番キレイな線が重なっていく瞬間がいくつもある。ピエール・ニネという突き抜けた美男子を突き抜けた美しさで撮っているだけで、この映画は勝ちといえる。素晴らしいと思う。

 

82.『フランケンウィニー』/ティム・バートン(2012)

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 Frankenweenie /Tim Burton (2012)

走馬燈のように逆回転で走る機械仕掛けのワンコ。その全力疾走とフィルムの回転が重なる冒頭から既に涙がとまらない。

 

83.『ゴーン・ガール』/デヴィッド・フィンチャー(2014)

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 Gone Girl / David Fincher (2014)

イメージと共犯を結びイメージを撃つ。その射程に感嘆。デヴィッド・フィンチャーの集大成的作品でありネクストでもある。フィンチャーは大きな作家になった。この作品はアメリカ独立記念日の翌朝から始まる。" 完璧なエイミー"!

 

84.『キラー・スナイパー』/ウィリアム・フリードキン(2011)

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Killer Joe / William Friedkin (2011)

マシュー・マコノヒーマシュー・マコノヒーであるという意味で最高傑作だと思うのはこの作品。かつてのウディ・ハレルソンが持っていた、そこにいるだけで人を殺しかねないような怖さが際立っている。

 

85.『美しき棘』/レベッカ・ズロトヴスキ(2010)

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Belle Epine / RebeccaZlotowsk (2010)

 

『小さな仕立て屋』と同じく、この頃のレア・セドゥでしか成立しない作品。荒々しさと繊細さが見事に調和している。レア・セドゥの快進撃はここから始まったと思っている。とてもカッコいいポスターにも思い入れがある。

 

86.『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』/ブラッド・バード(2011)

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Mission: Impossible – Ghost Protocol / Brad Bird(2011)

 

M:Iシリーズで一番好きなのは『ゴースト・プロトコル』。スラップスティック・コメディとレア・セドゥの幸福な出会い。

 

87.『マチルド、翼を広げ』/ノエミ・ルヴォヴスキ(2017)

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Demain et tous les autres jours / Noemie Lvovsky (2017)

 

「小さな頃は神様がいて不思議に夢をかなえてくれた」というならば、『マチルド、翼を広げ』は、小さな頃の神様がかなえてくれたことと、かなえてくれなかったことに対する決着が描かれた作品といえる。そのかけがえのなさ。少女映画の永遠の金字塔『人生なんて怖くない』から、ここまできたかと感涙。

 

88.『ミークズ・カットオフ』/ケリー・ライヒャルト(2010)

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Meek's Cutoff / Kelly Reichardt (2010) 

 

ケリー・ライヒャルト×ミシェル・ウィリアムズによる前作『ウェンディ&ルーシー』に続く傑作。こうやってスチールを眺めているとマヤ・デレン『午後の網目』+フィリップ・ガレル『内なる傷痕』的な実験性さえ感じる。

 

89.『やさしい人』/ギヨーム・ブラック(2013)

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Tonnerre / Guillaume Brac (2013) 

 

「ロマンチックだが代償は大きい」は名言。この作品が好きなのは、人物と風景の重なり合いが、どこかジャック・ドワイヨンの『あばずれ女』のような雰囲気を持っているところ。閉塞的な愛の悲しさを迎えるでも突き放すでもない雪が素晴らしい。

 

90.『ラ・ラ・ランド』/デイミアン・チャゼル(2016)

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La La Land / Damien Chazelle (2016)

 

否定派の人も「アナザー・デイ・オブ・サン」の楽曲の美しさは否定できないはず。あの楽曲の高品質さこそ、ハリウッド・エンタメの底力。ルグラン・リスペクトの素晴らしい曲が流れるだけでオーケー。タップダンスのシーンで号泣。好きなセリフは「ロマンチックで何が悪い?」