モンテ・ヘルマン特集、その3。
サマー・オブ・ラブの夢去りし1971年、「花のサンフランシスコ」よろしく、
アメリカ西部へと向かったフラワーチルドレンの亡霊が、再び
アメリカ東部への帰郷を目指す、が、向かうべき故郷なぞ初めから存在しなかった、、。というわけではないのかもしれないけど、名前が付けられる以前の(
ジェームス・テイラーは
ザ・ドライバー、ウォーレン・ウォーツはG・T・O、紅一点ローリー・バードはザ・ガールですから)登場人物たちが繰り出す、強烈な闇と光に彩られた虚無的な彷徨は、ラストの燃え尽きるフィルムが示唆しているように、存在自体が「映画」と肉薄し過ぎているが故に、途方もなく美しい。しかしスコリモの『出発』がヘルマンを介するとこうなりますかね??東京でのリバイヴァル上映は1995年だとか。間に合わなかったよ。どうしてもフィルムで見なきゃならない作品ですね。あまりコレクター趣向とかない自分ですが、これは「コレクターズ・エディション」を買っておいてよかったな、と今になって思います。執筆陣に、
青山真治、エマニュエル・ビュルドー、
ジム・オルーク、と充実の内容。