『銃撃』(モンテ・ヘルマン/1967)

銃撃 [DVD]

銃撃 [DVD]

異色西部劇というより不条理西部劇。この凄まじい傑作を未見の方は西部劇を見るというより『内なる傷痕』(フィルップ・ガレル)を見るような心づもりでいた方がよいかも。辺りに銃をぶっ放す美しいミリー・パーキンスの隣には『ビリー・ザ・キッドの冒険』(リュック・ムレ)のジャン=ピエール・レオを置きたい。と同時に最強のアメリカ映画だとも思う。この傑作が低予算の2本撮りで撮られたことに驚きを禁じえない。全てのロングショットが凄まじい豊かさでこちらに迫る。嗚呼、パーフェクトすぎるロングショットで砂丘を疾走する3頭の馬!これこそスクリーンで見なければならない作品でしょう。最初に評価したフランス人は偉い。「世紀の傑作」、だと個人的には震えを覚えます。


さて、9月のいろんな特集上映に通いたいがため8月は映画館通いを自粛してしまいました。とはいえ輸入DVDをいろいろ買ってしまったので、むしろ節約になってないのだけど。そうそうデュラスの『Baxter, Vera Baxter』がDVD化(イタリア盤?)されているらしいです。買ってないけど。ジュリエット・ベルト監督作『Neige(雪)』を注文したのだけど既に在庫がないみたいです。残念。中村俊輔のリーガデビュー戦はエスパニョールのチーム自体の調整不足ぶりが残念。シーズン前に悲しい出来事があったしね。アーセナルは下を向かなくてよい敗戦。こちらは期待できる。鳩山論文をちらり読んだのだけど、民主党の大勝利がブッシュ政権下じゃなくてよかったと思う。