小松菜奈論

f:id:maplecat-eve:20211003232954j:plain

Moonlight Shadow(2021)

realsound.jp

 

リアルサウンドさんに小松菜奈論「レンズの向こう側へ 神秘性への自己批評」を寄稿させていただきました。

 

このシリーズが始まってから、日本人で書くなら小松菜奈さんで書いてみたいなと最初に浮かんできた方なので、嬉しいです。小松菜奈さんのファンの方たちに想像以上に反響をいただけたのが、なにより嬉しかった!心からありがとうございます。

 

小松菜奈さんの『渇き』以降のフィルモグラフィーは、神秘性というパブリックイメージを自己批評、自己批判していく試みだと思っています。エドモンド・ヨウ監督『ムーンライト・シャドウ』の青いマスカラは、それ自体にすごく批評性、分析性がある。アップにされたとき、そこに目が行くわけで。そうすると、小松菜奈さんの瞬きであるとか、ちょっとした表情の動きが、どれだけ映画を豊かにしていたか、改めて気づかされます。あと『溺れるナイフ』は、すごく重要な作品です。神秘性を人(菅田将暉)に預けたときの小松菜奈、という意味でフィルモグラフィーの中でもすごく異例だと思います。

 

傑作と断言したい『恋は雨上がりのように』とか、タイトルで損してる気もする『サムライマラソン』とか、発見が多くあったのも楽しかったです。お時間あるときによろしくお願いします。