二階堂ふみ論「君、かなた」

リアルサウンド二階堂ふみ論「君、かなた」がアップされました。

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二階堂ふみさんは、まだフォロワー数がいまの1/10以下だった頃からフォローをいただいていて、いつか何かしらの形で恩返しをしたいと強く思っていました(ふみちゃんはツイッター辞めちゃったけど)。これが恩返しになっているかどうかは分かりませんが、今回、念願の!ということで。とても嬉しいです。

 

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思い出すのは、『私の男』が公開された年。多摩映画祭で二階堂ふみ特集が開催され、二階堂さんの舞台挨拶がありました。舞台上での二階堂さんは、言葉の選び方が素敵な方だなと思ったのですが、そのときの感想ツイートを一番にいいねしてくれたのが、二階堂さんでした。二階堂さんの影響は絶大で、普段通りにツイートしていたら絶対に届かないであろうところにまで波及していくのを、当時感じていました。とてもありがたいことだと今でも思っています。

 

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『エール』は、二階堂ふみ論を書くに当たってオンデマンドで一気に見たのですが、これは本当に見てよかった。作品自体も大変素晴らしいのですが(このコロナ禍の時代にも合っている)、二階堂さんの演技がとんでもない領域に達した記念碑的作品だと思います。拙論でも触れたように、二階堂さんの代表作は『私の男』と『ふきげんな過去』だと思っていたのですが、『エール』の二階堂さんは、それを遥かに越えていきますね。というより、各年代で出会うべくして出会った作品が代表作になっていくのだとも思います。作品はそのときの記録なので。その意味で、『私の男』の厳しい雪原風景に響く「遠き山に日は落ちて」のチャイムは、あのときの二階堂さんと分かちがたく結ばれていて、この曲をどこかで耳にするとき、あの風景とあの少女を必ず思い出すのだと強く感じています。分かちがたさ。『エール』の古山音こと、二階堂ふみさんは、記録としての分かちがたさを表していました。今後のご活躍を楽しみにしています。

 

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リアルサウンドでは、「女優=作家論」のコンセプトで現在6回ほど書かせていただいております。今後ともよろしくお願いします。